【解答解説】第38回管理栄養士国家試験(問24)
問題
糖尿病の合併症に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)高浸透圧高血糖状態は、急性合併症である。
(2)糖尿病網膜症の初期にみられる自覚症状は、失明である。
(3)浮腫は、腎症の症状である。
(4)起立性低血圧は、神経障害の症状である。
(5)急性心筋梗塞は、大血管障害である。
解答
(2)
解説
(1)×
糖尿病の急性合併症には、高浸透圧高血糖症候群と糖尿病ケトアシドーシスがあります。
高浸透圧高血糖状態は、血糖値が異常に上昇したことにより、高度の脱水状態になって起こります。2型糖尿病の患者に起こることが多く、インスリン分泌がある程度保たれ、ケトン体の上昇は軽度であることが多いです。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリンが不足し、血糖をエネルギーとして利用できないため、脂肪をエネルギー源として分解されている状態です。体内のケトン体の濃度が高くなり、血液が酸性に傾き、高度の脱水状態になります。
(2)⚪︎
糖尿病網膜症は、糖尿病の慢性合併症のひとつです。初期は症状はありませんが、小さな出血などがあり、中期になると目が霞むなどの症状が現れ、末期になると視力の低下や失明などに進行します。
慢性合併症は、大血管疾患と小血管疾患に大別されます。
大血管疾患・・・壊疽、脳梗塞、虚血性心疾患
小血管疾患・・・神経障害、網膜症、腎症
(3)×
腎症の症状には、タンパク尿、血尿、浮腫、高血圧、尿量の変化があります。糖尿病性腎症はeGFR、アルブミン尿およびタンパク尿で診断されます。
(4)×
糖尿病神経障害には、自律神経の障害があり、血圧の調整機構がうまく働かず、起立性低血圧が起こりやすくなります。
(5)×
急性心筋梗塞は、大血管障害です。