【解答解説】第38回管理栄養士国家試験(問32)
問題
神経系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)飲水中枢は、視床にある。
(2)橋は、中脳と延髄の間にある。
(3)錐体路の神経線維の多くは、胸髄で交叉する。
(4)顔面神経は、舌の運動を支配する。
(5)交感神経の興奮は、瞳孔を縮小させる。
解答
(2)
解説
(1)×
飲水中枢は、視床下部にあります。
視床では、視覚、聴覚の情報を大脳皮質に伝える役割があります。
視床下部には、飲水調節、体温調節、摂食調節の中枢があります。
ちなみに、呼吸中枢は延髄にあります。
(2)⚪︎
選択文の通りです。
間脳(視床、視床下部、下垂体)、中脳、橋、延髄、脊髄というふうに繋がっています。
(3)×
錐体路は、延髄で交叉します。
錐体路は随意運動の神経伝達路のことです。大脳皮質運動野から発生した運動の指令は、脳幹に向かい、延髄の錐体交叉と呼ばれる部位で交叉することで、右脳からの運動指令は左半身に、左脳からの運動指令は右半身へ伝達されます。
(4)×
顔面神経は脳神経の1つで、表情筋を支配する運動神経、味覚や涙腺、顎下腺、舌下腺の分泌を司る副交感神経を含みます。
脳神経は全部で12対あります。
他には、
・三叉神経・・・顔面の知覚、咀嚼筋の支配
・舌咽神経・・・舌の味覚、嚥下に関する咽頭筋、耳下腺の分泌の支配
・迷走神経・・・外耳道、咽頭、口頭の知覚、運動の支配
・舌下神経・・・舌の運動の支配
などがあります。
(5)×
交感神経の興奮では、瞳孔が拡大します。
他には、心拍数の増加、消化の抑制、排便・排尿の抑制、末梢血管の収縮などの役割があります。
副交感神経が優位になると、交感神経の興奮時とは反対に、瞳孔の収縮、心拍数の減少、消化の促進、排便・排尿の促進などが起こります。