【解答解説】第38回管理栄養士国家試験(問33)
問題
呼吸器系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)声帯は、咽頭にある。
(2)Ⅰ型肺胞細胞は、肺サーファクタントを産生する。
(3)動脈血二酸化炭素分圧は、パルスオキシメータで測定する。
(4)機能的残気量は、残気量と予備呼気量の和である。
(5)ヘモグロビンの酸素解離曲線は、pHが上昇すると右方向に移動する。
解答
(4)
解説
(1)×
声帯は、喉頭にあります。
咽頭は、鼻から食道の入口までの部分です。
喉頭は気管の入口の部分で、喉仏(甲状軟骨)、喉頭蓋、声帯などを含みます。
(2)×
肺サーファクタントを産生するのは、Ⅱ型肺胞上皮細胞です。
肺胞上皮細胞にはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型はガス交換に関与し、Ⅱ型は肺サーファクタントを産生します。
肺サーファクタントとは、界面活性物質で、表面張力を小さくし、肺胞が潰れずに球体を保つように働きます。
(3)×
パルスオキシメータは、動脈血酸素飽和度を測定します。
動脈血二酸化炭素分圧は、動脈血液ガス分析装置で測定することができます。
(4)⚪︎
選択文の通りです。
排気量には、4つの基本量と4つの基本容量があります。
<基本量>
・1回換気量・・・正常の1回の呼出量または吸入量
・予備吸気量・・・正常の吸息後からさらに吸い込める最大量
・予備呼気量・・・正常の呼息後からさらに吐き出せる最大量
・残気量・・・最大量吐き出して肺の中に残っている空気量
<基本容量>
・最大吸気量=1回換気量+予備吸気量
・機能的残気量=予備呼気量+残気量
・肺活量=1回換気量+予備吸気量+予備呼気量
・全肺気量=肺活量+残気量
(5)×
ヘモグロビンの酸素解離曲線は、水素イオン濃度の上昇(pH低下)、体温の上昇、Pco2の上昇、赤血球2,3-ジホスホグリセリン酸の増加により、右方に移動します。