【解答解説】第38回管理栄養士国家試験(問35)
問題
運動器の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)骨の主な有機質成分は、ケラチンである。
(2)骨吸収は、骨芽細胞によって行われる。
(3)関節液は、ヒアルロン酸を含む。
(4)骨格筋のうち、速筋は遅筋に比べてミオグロビンを多く含む。
(5)筋原線維の主な構成成分は、コラーゲンである。
解答
(3)
解説
(1)×
骨は有機質成分と無機質成分によって構成されます。
有機質成分の主体はコラーゲン、無機質成分の主体はヒドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)です。
(2)×
骨吸収は、破骨細胞によって行われます。
骨形成は、骨芽細胞によって行われます。
(3)⚪︎
ヒアルロン酸は関節液や関節軟骨、皮膚の真皮、目の硝子体に多く含まれます。
(4)×
ミオグロビンは速筋よりも遅筋に多く含まれます。ミオグロビンは酸素とよく結合するため、エネルギーを多く作り出すことができます。そのため、遅筋は収縮スピードは遅いですが、繰り返し収縮しても疲れにくい持久運動に向いています。
【遅筋と速筋の比較】
ミオグロビン 遅筋>速筋
ミトコンドリア 遅筋>速筋
エネルギー源 遅筋:脂質 速筋:糖質
疲労のしやすさ 遅筋<速筋
筋線維の太さ 遅筋<速筋
(5)×
筋原線維はアクチンとミオシンというタンパク質から構成され、筋原線維が束になって筋線維が成り立っています。
コラーゲンはエラスチンと共に肉基質タンパク質に含まれます。筋線維を覆う筋内膜や筋周膜を構成しています。
ちなみに、ミオグロビンは筋漿タンパク質のひとつです。筋原繊維の間に存在しています。畜肉を茹でた時の「アク」の原因になります。
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