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【解答解説】第38回管理栄養士国家試験(問36)

問題

運動器疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)原発性骨粗鬆症は、脆弱性骨折がない場合には、骨密度が若年成人平均値(YAM)の80%以下で診断される。
(2)骨軟化症では、血清カルシウム値は基準範囲内である。
(3)変形性関節症の早期治療は、手術療法を基本とする。
(4)栄養不良に伴うサルコペニアは、一次性サルコペニアである。
(5)ロコモティブシンドロームの判定には、「2ステップテスト」が用いられる。

解答

(5)

解説

(1)×
 原発性骨粗鬆症は、脆弱性骨折がない場合には、YAMの70%以下、または-2.5SD以下で診断されます。脆弱性骨折がある場合はYAMの80%未満が基準となります。YAMは腰椎で20〜44歳、大腿骨近位部で20〜29歳の健康な女性の骨密度平均値を100%としています。

(2)×
 骨軟化症は、骨の石灰化が妨げられている状態です。ビタミンDが欠乏しているまたはうまく働かないこと、腎臓でリンの再吸収がうまくいかないことなどにより、下肢の変形、歩行障害、低カルシウム血症による痙攣やテタニーが出現します。
 
(3)×
 初期の場合は、内服薬・外用薬を用いた対症療法や運動療法が行われます。それでも治癒しない場合に手術治療が検討されます。

(4)×
 一次性サルコペニアは、加齢以外に特定の原因が見当たらないものです。
 二次性サルコペニアは、加齢以外に原因があるもので「活動に関連するサルコペニア」「疾患に関連するサルコペニア」「栄養に関係するサルコペニア」の3つに分けられます。

(5)⚪︎
 ロコモティブシンドロームを判定するには、移動機能を確認するためのテストを行います。下肢筋力を調べる「立ち上がりテスト」、歩幅を調べる「2ステップテスト」、からだの状態や生活状況を調べる「ロコモ25」があります。

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