【昨日の肉じゃが今日のカレー】 46 【どうなっちゃうの】

土曜日 6:00 起床。

白澤さんからの着信。
「おはようございます。」
「おはようございます!奥様!貴女つけられてます!週刊誌から取材依頼が来ました!暫くは家から出ないでください!ベランダもダメです!卓也も帰せません!」

「えーーー!そんなーーー!」

「とにかく氣を付けてください!」
「そんな、、、、」
「動画通話なら許可しますから!我慢です!」

そんな、、
だって、、
今日と明日は、、、

そんな、、、
不用心だった自分が悪いとは言え、あまりにも残酷。

そんな、、、、
うあー!
泣き叫んでしまった。

中村さんが慰めてくれて抱き締めてくれた。
中村さんがいてくれて良かった。

朝の一連の流れは、山澤さんがやってくれた。

7:00 いただきます。
食べたくない。
すぐに箸を置いた。

山澤さんが言った。
「私がついていながら大変に申し訳ございません。」

いいえ。

私は、脱力感に苛まれ、ベッドで横になった。

掃除は山澤さんと中村さんがやってくれた。

12:00 お昼
食べたくない。

白澤さんから着信。
「週刊誌は一先ず抑えました!これから繋ぎますので卓也と動画通話してください!」

「里帆!無事か!?」
「たく、、、」
「里帆!大丈夫だぞ!みんないるから!俺もいる!」
「いないじゃん、、、たく、いないじゃん、、、」

白澤さんの声が聴こえる。
卓也!ダメだぞ!それは許さんぞ!お前の為に何百人が動いていると思っているんだ!?
とにかく帰る事は許さんぞ!

佐久間がおるやろー!
そう言って、たく、は、カメラの前から居なくなった。

白澤さんが叫ぶ。
卓也ー!いまはダメだー!

2人ともカメラの前から居なくなった。

どうなっちゃうの?


本来的な私は、男がいないからと、
不安定になる女では無かった。
一匹狼で、皆から嫌われ役で、淡々と日々をこなす。
そんな、何処にでもいる、地味な女だった。

日本中を席巻する大スターなんて夢のまた夢だったはず。
結婚すら夢のまた夢だったはず。

全部たく、の、せいだし
全部たく、の、お陰

全部、たく、の、、、、

中村さんがテレビをつける。
「キャー!里帆さん!旦那様がヘリコプターから撮影されてしまっていますよ!」

卓也「里帆ーー!」

テレビ
「いま日本中を席巻している【Bertie's(バーティーズ)】の卓也さんが、一般歩道を走っています!何か叫んでいます!」

卓也「里帆ー!」

「たった今、週間文道による発表が入りました!なんと!【Bertie's(バーティーズ)】卓也!デビュー前に極秘結婚していた!との事です!奥様は一般人との事です!」

たく、、、、

卓也「里帆ー!」

私たち、、、どうなっちゃうの、、、、

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