【昨日の肉じゃが今日のカレー】 48 ごめんなさい

「卓也!しばらくは自宅謹慎だぞ!」

そう言って事務所の人達は出て行った。

肉じゃが完成。


白澤さん
「卓也。やってしまったことは仕方ない。あーあ。せっかくスターダムになるはずだったのになぁ!」
卓也
「悪かったよ。」

たく、は、悪くない。
私がワガママを言ってしまった。
だから、こんな事になってしまった。
たく、なら、駆け付けてしまう。
そこまで考えが及ばなかった。

まるで百年の孤独の世界にいるようだった。
あまりにも、辛過ぎた。
私がダメだった。

「里帆。とりあえず、肉じゃが、食べよ。」

うん。

19:00 いただきます。
久しぶりの【昨日の肉じゃが今日のカレー】。
なのに、こんなにも辛い。
ううん。一番に辛いのは、たく。

けれども、私も辛かった。

うん!!!美味い!!!
たく、の、それは、どう見ても空元気。

不意に零れるように言ってしまった。
「ごめんなさい。。。。」

「里帆は悪くないやろ!新婚夫婦にバカンスを与えない事務所が悪いんやろ!かまへん!食うぞ!うん!美味い!」


たく、なら、そう言っちゃうじゃん。
分かってたはずなのに、、、
今は何を言って空回りしてしまう。


白澤さん
「うん!奥様の肉じゃがは絶品ですなー!卓也ー!そりゃー帰りたくもなるよな!もうどうにでもなれー!ハッハッハー!」

白澤さんに着信が入る。
「はい。はい。はい。はー、、、、、、わかりました。仕方ない。しかし、寛大な措置を頂き誠にありがとうございます。では、失礼します。」

どうなったのだろう。

白澤さん
「卓也!お前は【Bertie's(バーティーズ)】をクビになった。代わりのボーカルは、佐久間が務める。」

そんな、、、ライバルに取られた、、、

卓也
「ふん!佐久間なら、うまくやるやろ!あー!何が、【Bertie's(バーティーズ)】だよ!ウンザリだったんだよ!」

白澤さん
「卓也!事務所の社長命令だ。これからのお前は二度と表舞台には出さない。その代わりに、ミドルネームを使って【Bertie's(バーティーズ)】のプロデューサーになって貰う。答えは、YES以外に用意はできない。」

分かったよ。

白澤さん
「社長も、お前の音楽の才能は認めてくださっている。そこは、感謝だぞ。」

せやな。

白澤さん
「あー!腹いっぱい食べたー!奥様!美味しい肉じゃがをご馳走様でした!そして、これからは、いよいよ、2人での時間が出来ますぞ!あっ。でも、外出の際には後ろから刺されないようにご注意ください。さー!卓也!これから2人でアチコチに頭下げにいくぞ!蹴られる殴られるくらいの事は覚悟しろよ!卓也!お前なら地獄の果まで管理してやるよ!」

白澤さん、、、、、

ごめんなさい、、、、

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