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あのSalesforceを基につくられたnCinoの正体と成長戦略

こんにちは、Crezitの大野エイトです。

今回はnCinoという企業についてまとめていきます。
nCinoとは、簡単に説明するとSalesforceを基盤にした銀行特化版顧客管理SaaSです。

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サービス概要

単一プラットフォーム上で顧客管理、顧客オンボーディング、預金口座開設、融資組成、文書管理、データ分析などあらゆる機能がチャネルや事業部門の壁を越えて扱える、銀行員にとってそれはそれは有難いサービスです。

nCinoの概要をサクッと知りたい方はこの動画をご覧いただければと思います。

顧客コミュニケーション、新規の融資、口座開設など新たな機会を創出し、売上を拡大する事に繋げられます。
また、顧客にとっても自分の利用している金融サービスを分かり易く一元管理する事が出来るため、日々のお金に対する不安が軽減、解消されます。

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DXという言葉を最近よく耳にするかと思いますが、紙媒体で何万人もの個人の信用情報を何十年もかけて取り扱う金融業はまさにDXが起きなくてはならない業界です。だからこそ、nCinoの存在価値は今後益々増加していくと思います。
まず、皆さんにイメージしていただきたい事は、nCinoの顧客は未だアナログ業務が多い銀行だという事です。ただ、彼らは決してデジタル化を拒んでいる訳ではありません。
膨大な紙媒体に眠る顧客データをデジタル上に移動させるコストや、業務オペレーションの改善等、会社として大きな変化をいつどのように行うのかを模索している企業が殆どかと思います。
nCinoの面白さは、腰とデータ量が重い顕在顧客に対して、サービスをどのように提供していったのかにあると思っています。
ここからはnCinoの詳細を、僕が考えるnCinoの成長理由と共にまとめていきます。

成長理由①創業者の実績と実体験

成長理由をマーケットサイズ、チーム(起業家)、戦略と分解して考えていきます。まずマーケットサイズについてですが、市場調査会社のGrata社によると、銀行向けオペレーションシステム市場は2019年時で130億ドル、CAGR(年平均成長率)は17%です。マーケットのポテンシャルは大きいと言えると思います。

次に、nCinoの創業者やボードメンバーを見てみましょう。

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創業者、ジェームズ・チップ・マハン3世

ジェームズ氏はフィンテック領域のシリアルアントレプレナーです。世界初のネットバンク、Security First Network Bankや、銀行や小売業者向けにATMなど金融サービスを提供したS1 Corporation を創業しています。また、Live Oak Bankという銀行を創業し、現在もCEOとして勤めています。nCinoはこのLibe Oak Bank から2011年にスピンアウトした企業です。

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CEO/創業メンバー、ピエール・ノーデ

ピエール氏はジェームズ氏の設立したS1 Corporationで事業部長を勤めたりと、金融業界で30年以上ものキャリアがあります。

nCinoの強みは、彼らの金融業界での実績や、実際に銀行を経営する中で感じた業務オペレーションの非効率さといった、顧客目線でプロダクトが作れることにあると思います。
ここからは戦略について書いていきます。

成長理由②Salesforceを基盤に設計

まずnCinoの注目すべき点は、Salesforceを基盤にプロダクトを開発しているという点です。
同社はSalesforce Venturesからも出資を受けていますが、それより前にあたる創業1年目のプロダクトリリース時からこの体制のプロダクトを提供しています。
CEOのピエール氏は、「私たちのビジョンはクラウドバンキングの世界的なリーダーになること。世界中の金融機関がビジネスを成長させ、顧客により良いサービスを提供できるよう支援している。Salesforceとの強力な連携は、当社の成長と成功における重要な要素である。私たちは彼らとのパートナーシップを深め、金融サービス業界を変革する。」と発言しています。

成長理由③導入支援への大型投資

先述した通り、nCinoは既にニーズが顕在化された資金力のある顧客リストを持っていました。ここでは主にプライシングとサービス導入支援について触れていきます。

まずはプライシングです。初めに断っておくと、nCinoの正確な価格は公開されていません。顧客数/ARRで算出すると、およそ1単価辺り95,000ドルとなります。

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(S-1社 https://www.meritechcapital.com/blog/ncino-ipo-s-1-breakdown)
(競合との比較やコスト感についてはまた書こうと思います。)

次に導入支援体制です。nCinoはサービス開始1年少しで、nCinoの導入支援を開始しました。新規顧客開拓に向け、2,000人を超える多種多様なサービス形態を提供する顧客一人一人に個人トレーニングを行いました。その際銀行業務経験者50名を雇い、収益成長率は前年比206%、顧客金融機関数を36から81に拡大させました。ちなみにこの際、2014年1Qだけで1,100万ドルを投資したそうです。
サービスの導入検討期間は早くて6ヶ月、長くて18ヶ月検討する金融機関もいるとの事ですが、その分契約期間は3-5年と長めに設定してあります。

https://www.businesswire.com/news/home/20150113005288/en/nCino-Celebrates-2014-Record-Revenue-Largest-Customer

成長理由④2社を買収し上位プラン開始

2018年にグローバル進出したnCinoは更に事業を拡大すべく、データ分析ツールを手がけるVisible Equity社と、財務諸表等のデータ化を手がけるFinSuite社を買収し、上位プランのnCino IQに組み込みました。これまで記してきたnCinoのサービスとは、ベーシックモデルのnCino BOSを指しています。nCino IQとは謂わばAIを活用した上位プランで、nCino BOSでは必要な手入力作業を省く事が出来ます。

最後に

今回はnCinoの概要を掴む為に若干浅めにまとめましたが、もっと詳しいSaaSとしての成長戦略やnCinoの今後、また、他にも気になる企業などがあれば是非ご連絡ください。気合い入れてまとめてみようと思います笑

やはり金融領域で大きな変化をもたらす企業はカッコいいですね。その道のりは地道なものですが、人々の生活を変えていくだけの大きな影響力があると思います。

僕が所属するCrezitは、消費者信用という形で社会を変革しようとしています。
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