なぜAmazonは金融サービスを手がけるのか
こんにちは。Crezitの大野エイトです。
今回は、現在時価総額世界4位、Amazonのフィンテック化について調べました。
Amazonが展開するサービスは、EC・小売、エンタメ、クラウドコンピューティング等が印象的ですが、同社は金融領域へも大きく展開しています。
今回参考にさせていただいた本はこちらです。
先ずは、Amazonがフィンテック化を進める理由について、これまでの同社の成長戦略をもとに考えてみます。
Amazonの成長戦略
Amazonは、創業当初から独自の成長戦略をもとに、今日まで拡大してきたと言われています。
図:Amazon CEOジェフ・ベゾスが創業当初、紙ナプキンに描いたビジネスモデルに筆者が和訳を追加したもの
顧客第一主義を掲げる同社は、カスタマーエクスペリエンスの向上を徹底しています。
私たち消費者が持つ、本能的な欲求を単に満たそうとするだけでなく、テクノロジーの力で簡単に満たす機会を生み出しました。
例えば、登録したカードと住所をもとにワンクリックや音声決済などで決済が実行される事は、私たちにとって大変便利な機能です。
こうした顧客の欲求・不満を素早く継続的に解決する事を徹底する為に、Amazonは金融サービスを多展開していると考えます。
次に、実際にAmazonが展開している金融サービスについて振り返ります。
もはや銀行とも言えるAmazonの金融サービス
Amazonは既に、銀行の三大業務である預金、貸出、為替(決済)を展開しています。
先述したユーザーに向けた決済機能、ギフトカードなど預金に該当するもの、Amazon上で活動する販売事業者向けに貸出などを展開しています。
これらの金融サービスは全て、先ほどの成長戦略モデルに当てはめられます。
上の図と自身の体験を重ねると、ワンクリック決済やギフトカード等が顧客にとって便利な機能であることは理解できます。
では、販売者向けに展開している貸出機能、アマゾンレンディングはどうなのでしょうか。
販売者に貸出、アマゾンレンディングの実態
アマゾンレンディングとは、Amazon上で活動する一部の法人販売事業者を対象に行なっている融資サービスです。2012年にアメリカで開始され、2014年には日本でも開始されています。
また、2018年にはバンク・オブ・アメリカと提携していますが、あくまで主体はAmazonです。
アマゾンレンディングの主な特徴は、アマゾンでの実績をもとに素早く審査が実行されるという点です。
これまでは事業者が借入を検討する際、事業の実績を示す為の書類作成の手間や審査にかかる時間的コストが大きい事が問題でした。
翻ってアマゾンレンディングでは、商流プラットフォーマーとして販売事業者のデータを持っている為、リアルタイムで審査される事が可能です。
一方で、従来の銀行に比べて金利は高くなっています。短時間で借入を実行したい事業者にとって、アマゾンレンディングは1つの大きな選択肢と言えると思います。
金利など詳細情報については公式HPをご覧ください。
また、Amazonは今年6月にゴールドマンサックスと提携し、アマゾンレンディングとは別のローンサービスを始めました。
当サービスは元々、アマゾンレンディングの規模を拡大する事を目的としたプロジェクトでした。複数の金融グループとの提携を目指していましたが、結果的にゴールドマンサックスとの独占契約となったそうです。
今回のゴールドマンサックスとの提携は、これまでのアマゾンレンディングとは違い、主体はAmazonではなく提携先であるゴールドマンサックスです。
以上の動向を踏まえると、顧客第一と言いつつもしっかりと市場全体を獲りに行く様子が伺えます。個人的にAmazonは好きな企業ですが、従業員の労働環境問題など好ましくない一面がある事も事実です。顧客、従業員、社会、三者全ての生活が向上する思想のもと、金融サービスを手がけてくれたら、、と思っています。
最後に
今回はAmazonのフィンテック化についてまとめました。僕のnoteではフィンテックスタートアップだけでなく、このようにフィンテック化を図る企業についても広く記事を書いていく予定です。宜しければTwitter、noteのフォローをお願い致します。
また、僕が所属するCrezit株式会社では消費者信用という形で社会を変革しようとしています。
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