ダーティーハリーは監督になってもハリーなのだ。
パリオリンピック開幕前の高速列車TGVの大規模破壊行為のニュースを見て、思い出した映画がある。
イーストウッド監督の「15時17分、パリ行き」である。
この作品は、クリント・イーストウッド監督が2018年3月1日に公開した実話に基づく映画で、2015年8月21日にアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリス車内で起きた銃乱射テロ事件を題材にしている。イーストウッド監督は、この映画で事件のほんとうの当事者を使い、3人の若者 に自分たち自身の役を演じさせたので話題になった。
映画は、この3人の若者が少年時代にどのように出会い、成長し、そして最終的にテロ事件に遭遇するまでの経緯を描いているが、イーストウッド監督は、この手法により極限のリアリティを追求し、観客を「目撃者」に変えることを目指している。
イーストウッド監督の作品には、駄作が一つもない、そして、近年は「リアル・ヒーローの真実」を追求する路線をさらに推し進めている。
ダーティーハリーは、監督でもやっぱりハリーなのである。