英単語を学ぶとは?
こんにちは、英単語習慣というサービスの運営のエイタです。
今日はそもそも英単語を学ぶとはどういうこと?について考えてみましょう。
和訳と英訳を覚える、だけではない
英単語を学ぶと言えば
dog = 犬
go = 行く
name = 名前
みたいに和訳やその逆の英訳と思い浮かべる人が多いです。実際、学校のテストではその形式が多いです。
でも実際は和訳と英訳だけでは十分ではありません。その理由は英単語と日本語は1対1で対応していないからです。
Cool は 「冷たい」だけではない
例えば「Cool」は英語で「冷たい」という意味もありますが、スラングとして「かっこいい」「素敵」というポジティブな意味も持ちます。
特に、若者の間で「Cool」は見た目や態度が洗練されている、という意味で使われます。
busyは「忙しい」とは少し違う
またbusyは「忙しい」と習いますが、日本語の「忙しい」のイメージと異なり、充実している・活動的である、という意味でも使われます。
たとえば「I'm busy this weekend(週末は予定がたくさんある)」と言った場合、必ずしも「大変で苦しい忙しさ」を意味するわけではありません。
「いただきます」に対応する英単語はない
さらにいえば、日本語の「いただきます。」に相当する英語は存在すらしません。「いただきます。」は食べ物を提供してくれた人や自然に対しての感謝が込めて発する言葉ですが、そのような概念自体がないのです。
単語のコアイメージを掴むのが大事
つまり英単語にひとつの言葉を当てはめるだけでは不十分なのですね。それよりも単語の表すコアイメージを理解して覚えることが大事です。
例えば、"get"という単語を見てみましょう。日本語では「手に入れる」「取る」などと訳されることが多いですが、この単語の本質的な意味は「到達する」「得る」という動作や結果を表します。
だからこそ、"get up(起きる)"、"get married(結婚する)"、"get better(良くなる)"といったさまざまな場面で使われるのです。どのフレーズにも共通するのは、何かが変わって新しい状態に到達することです。
"take"は「取る」と教わりますが、この単語のコアは「何かを自分の手元に引き寄せる」という動作にあります。
だからこそ、"take a break(休憩を取る)"、"take a picture(写真を撮る)"、"take a deep breath"(深呼吸する)、というフレーズで使われるときも、共通して「自分のものにする」「自分の手元に引き寄せる」というイメージが感じられるのです。
"go"もみてみましょう。日本語では「行く」と訳されることが多いですが、この単語の本質的な意味は「視点が置かれている場所から離れて進んでいく」という動作を表します。
"go away"(離れていく)、"go to work"(仕事に行く)、"go home"(家に帰る)は離れる、ある場所へ向かう、というイメージから派生します。
"go bad"(悪くなる)、"go blind"(目が見えなくなる)は、元の状態から離れて、新しい(悪い)状態に進行するイメージです。フレッシュだった食べ物が腐る、視えていた視力が失われる、のように状況の進行を表してます。
全てに共通しているのは、「ある地点から離れて、別の場所や状態に向かって進行する」というコアイメージです。これにより、"go"が単に物理的な移動だけでなく、状態や状況の変化をも表すことが理解できます。
このように和訳と英訳の対応を覚えるだけでなく、単語そのものが持つ本質的な意味やニュアンス(コアイメージ)を学ぶことで英語がわかるようになっていきます。
コアイメージを上手に学ぶコツ
コアイメージを学ぶにはいくつかコツがあります。
1. たくさん文章にふれる
単語を辞書の意味だけで覚えるのではなく、実際に使われている文章の中でその単語に触れることで、ニュアンスや使い方を深く理解できます。ニュース記事や小説、映画のスクリプトなど、さまざまな文脈で単語に触れてみましょう。
例:
"run"という単語は、「走る」以外にも「運営する」「流れる」などの意味があります。たとえば、"She runs a business"(彼女はビジネスを運営している)や、"The river runs through the valley"(川は谷を流れる)のように、様々な場面で異なる使われ方をしています。これを文章の中で繰り返し見ることで、「流れるように動く」というコアイメージが自然に理解できます。
2. イメージを視覚化する
単語の持つ動作や状況を頭の中で映像として描いてみると、意味が深く記憶に残ります。特に動詞や具体的な名詞など、動きや形がイメージしやすい単語に対して有効です。
"lift"という単語を覚える際、単に「持ち上げる」と訳すだけではなく、図のように実際に重いモノが持ち上がるシーンを思い浮かべてみてください。
"lift a barbell" (バーベルを上げる)というのが基本ですが、図のイメージがあれば他の意味にも対応が可能です。
"lift someone's spirits"(人の気分を持ち上げる/元気づける)というフレーズの場合、気分が沈んでいる人を応援して気持ちを上向きに「持ち上げる」イメージです。ただの物理的な「持ち上げる」だけでなく、感情的な支えを意味することが理解しやすくなります。
"lift off"(離陸する)も同様に、ロケットが地面からゆっくりと浮き上がり、空に向かって飛び立つ瞬間を視覚化すれば、動きの感覚が自然とつかめるでしょう。
3. 語源を学ぶ
語源を学ぶことで、単語の成り立ちや意味がより深く理解できます。また、同じ語源を持つ単語グループをまとめて覚えることで、語彙を効率的に増やすことができます。
例:
"scrib"(書く)という語源を持つ単語を見てみましょう。"describe"(描写する)、"script"(台本)、"prescribe"(処方する)など、すべて「書く」というコアイメージに基づいています。語源を意識して学ぶと、新しい単語に出会ったときでも、その意味を類推する力がつきます。
4. 類義語や対義語と比較する
似た意味の単語や、反対の意味を持つ単語と比較することで、各単語が持つ微妙なニュアンスの違いを理解することができます。これにより、単語の意味がより明確に浮かび上がります。
例:
"see"(見る)と"look"(見る)は、どちらも「見る」という意味を持っていますが、微妙なニュアンスが異なります。
"see": 無意識に目に入る、自然に視界に入ることを指します。自分が意図して見ているわけではなく、目に映ることを意味します。
例: "I see a bird outside."(外に鳥が見える)
→ 目の前に鳥が自然に映っている状態を示しています。
"look": 意識的に何かを見ようとする、視線を向ける行為を指します。自分の意思で何かに焦点を合わせている状況です。
例: "Look at that bird!"(あの鳥を見て!)
→ 見ようとして意図的に視線を鳥に向ける行為を表します。
まとめ
英単語を学ぶとは、単に日本語の訳語を覚えるだけではなく、その単語の持つコアイメージが頭の中に構築されることです。
さまざまな文脈での使い方を確認したり、視覚的にイメージしたり、語源を学んだり、類義語との比較を通じて、単語の本質的な意味を理解することができます。
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