見出し画像

実際、美術大学を卒業して就職はできるのか(2022卒の見解)

私は2022年に美術大学を卒業し、新卒からデザイナーとして働いています。
高校生や現在の美大生、また美大を知らない保護者の方々に向けて、当時の就活状況について、少しお話ししようと思います。

結論、就職は普通にできますが、美大卒が全員デザイナーになったわけではありません。

*なお、以下は自分が把握している限りのものになります。
確実な数字が出ていないので、そこは容赦いただきたいです。
また、以下デザイナーとしての進路を主観として書きます。


新卒入社したのは、ゼミで7割・学科で8〜9割

美大の4年生は最後の1年間を卒業制作に費やすのですが、並行して就職活動に励みます。そこは、普通の大学と変わらないような気がします。

私のゼミは全部で11人。その中で、新卒で企業に入社したのが私が把握する限りでは7名でした。
他の人たちは、研究室の助手になったり、就職浪人をしたり。
卒業してから進路を考える人や、フリーランスを検討する人がいました。

学科全体では8割〜9割くらいだと思われます。確実に言えることとしては、一般の大学のように就職が当たり前の世界ではないということです。

就職できなかったのか、就職しなかったのか

これに関しては「就職しなかった」人の割合が多いですが、
「就職できなかった」人も珍しくはありません。

デザイナーとしての採用は、1社あたり1〜3名なので、採用枠がかなり少ないです。ライバルは全国の美大生にとどまらず、一般の大学のデザイン系の学科生や専門学生、建築学科など、多岐に渡ります。

また、大学で学んだデザイン分野によって就職先が絞られてしまうため、特に大手企業に就職したいとなると受けられる企業数がグッと減ってしまいます。
もちろん例外はありますが、グラフィックデザイン学科の学生がプロダクトデザイナーとして内定をもらうのはかなり難しいのです。

順番が前後してしまいましたが、「就職しなかった」学生には、以下のような意見を持った人が多くいるように感じました。
・就活の時期を知らなかった
・卒業してからやりたいことが見つかっていない
・アルバイトを兼任し、アーティストや音楽家として生きていく
・フリーランスになる(既に学生時代から稼げている人が選ぶ傾向にある)

デザイナーとして働いている人ばかりではないという現実

もうお気づきかもしれませんが、実は全員がデザイナーになったわけではありません。

・看護師として働く後輩
・牧場勤務する同期
・お笑いコンビを組んだ先輩

美大に行けばデザイナーになれるというのは間違いで、「デザイナーになれる選択肢が大幅に増える」というのが正しいです。就職を9割の人がしていても「全員がデザイナーになった」わけではないのです。

最後に

繰り返しになってしまいますが、就職は普通にできますが、美大卒が全員デザイナーになったわけではありません。

自分の両親は普通の大学を卒業しているために、「美大に入学したら、将来自分の息子はどうなっちゃうのかしら」と不安でいっぱいでいました。なので今回このnoteを書いてみました。参考になれば嬉しいです。

いいなと思ったら応援しよう!