靴下の穴。ーーかかと編
かかとが薄い靴下を初めて見たのはいつだろうか。
たぶん、それが起こる原因は、少し大きめの靴がこすれて靴下のかかとの部分がすり減っていくのだろう。
簡単な現象で、理由も上に書いたことが正解なんだと思う。
でもなんか、不思議な感じがする。
幼い頃は、いつも爪先だった。
靴の中で、前に前に進んでいたのかな。
前のめりになっていたのかな。
でも今は、かかとの方が破れるんだ。
基本的には、生まれたときから目がついている方向に進んでいるんだけれど、破れる場所が変わってしまった。
靴のせいのはずなんだけど、僕はその現象に心を加えて見てしまう。
合ってない靴のサイズ。破れる穴の位置の変化。
人間は、萌芽や、散った花、季節の移り変わりに心を反映させてきた。それが美しいとされた。俳句や短歌はまさにそれだ。
靴下の穴に心を写すのも、美しいはずだ。
その光景じゃなくて、心を表す行為そのものが美しいはずだから。
とまぁ、きれいに書こうとしました。
実際、醜い光景や行動も、文学の中では美しく描かれていることもある。表す行為とその言葉が美しければいいんだ。
今日はユニクロで靴下を4足買いました。
おわり