着いてしまいそうな膝
世の中にはいろんな優しさがある。厳しくすることが優しさだという人もいるし、温和な対応が優しさだという人もいる。
僕は昨日、いつものごとく仕事で迷惑をかけてしまい、自分の尻拭いをしていた。
それを見兼ねた上司が僕の尻拭いをしてくれた。
僕は無能感に打ちひしがれて、目に涙を溜めていた。
そんなときにその上司が
「気にしなくていい」
と怒りもせず、何気ない会話をしているように言った。
続けて
「俺がむちゃぶりしたからなー」
と自分のせいにまでした。
ほんとに泣きそうだった。
泣いてしまえたらどんなに楽だったか。
優しいと僕は思った。
でも、それは優しさなのかわからなくなった。優しく言われなかったら僕は泣きそうにならなくて済んだから。優しさが辛かった。
優しくされたときに泣いてしまいそうになるのはなんなのか。泣きたくないのに涙がこぼれそうになるのはなんなのか。
こんないい人に迷惑をかける自分が嫌だけど、うまくできない。
辞めたい
って思ってしまった。好きな人に迷惑かけるのが一番嫌だ。
昨日は試用期間後の契約の話をしたけれど、辞退したい気分だった。
でも僕は今までのマイナスをプラスにしなきゃいけないんだ。
1年か2年で辞めるまでに、会社には全体としてプラスにしなきゃいけない。
そうやって自分を奮い立たせる日々。
おわり