本格水冷#2 必要なパーツと役割について
ここに記載されている内容は、僕個人がネットや動画で集めた情報をまとめているだけなので、参考にする場合、専門的な知識のあるショップ店員さんやプロフェッショナルの指導を仰ぐようお願いします。
本格水冷には必要なパーツがたくさんありますが、それぞれの役割を解説します。
水冷ブロック(水枕)
PCパーツから熱を吸い上げる部品で、CPU用とグラボ用があり、それぞれ使えるものが規格やパーツごとに決まっています。
CPUやグラボの熱が水枕を通過するクーラント液に移ることで冷える。
ラジエーター
水冷ブロックから吸い上げて熱せられたクーラント液の熱から、空気中に熱を放出する部品。これが大きいと長時間熱い状態が続いてても冷やし続けられる。
簡易水冷では基本的に120mm~360mmのサイズが多いが、420mmや480mm、さらに巨大なものまである。その選択肢の多さも本格水冷の魅力の一つだと思います。
ポンプ
クーラント液を循環させる心臓にあたる部品、この部品の性能でどの程度の大きさの水冷システムが組めるか、何mくらいの配管ができるか、どの程度のスピードでクーラント液が循環するかが決まる。
揚力とか、その揚程、流量とか色々難しいことを言われるけど、大きめのを買って調整して使えば大丈夫だと思っている。
リザーバー
ポンプと一体型になっているのが多い印象。クーラント液をプールしておくパーツ。これがあるおかげで、蒸発してクーラント液の水量が減っても余裕ができる。
クーラント液の量を稼いだりはできる(熱容量を稼ぐことで、急な温度上昇を防げる)けど、容積が大きければ大きいほどクーラント液を多く入れて空気を抜く必要があるため、見栄えとかで選ぶのでなければ小さい方が無難そう。空気を減らす必要があるのは、熱膨張した時空気の方が体積が増えて、パーツに圧力をかけてしまい破損や漏水につながるため。
リザーバーとポンプは、ケースによっては専用のものが各メーカーから発売してたりする。
クーラント液
ポンプが心臓なら、クーラント液は熱を循環させるための血液。
水ではなくクーラント液なのは、防腐剤や抗菌剤が入っていたり、電蝕で金属パーツを侵すことを防ぐための薬剤が入っているため。めんつゆみたいに、ストレートタイプと薄めて使うタイプがある。
本格水冷システムの配管などに色をつける、ある意味花形。
チューブ(ソフトチューブ、ハードパイプ)
各パーツをつなぐ筒。ソフトタイプ(塩ビ製)とハードタイプ(PET G製、アクリル製)があり、よく見かける見栄えを頑張ってる系の本格水冷はハードパイプを使っている事が多い。他にも金属製のパイプを使用する方法がある。
基本的にクーラント液を通す仕事しかしていないので、工作しやすいソフトチューブと、見栄えがいいけど製作難易度や導入費用が上がるハードパイプという認識で良い。
フィッティング
継手や90度アングル等、種類が豊富で、製作する本格水冷システムによって、必要なパーツの種類や数が必要。また、水冷ブロックやポンプとつなぐ接点すべてに必要で、これ1つ1つが500円~1,000円前後するため、必要なものを揃えて、さらに予備や想定外の組み立てプラン変更に対応するために多めに買う必要がある。もう少し気軽に「足りなければAmazonで買い足せばいいや~」みたいな環境がほしいところ・・・。
また、ソフト、ハード、各メーカーや種類ごとにパイプを繋ぐ締め方の仕組みや直径、ネジのサイズが違うため、よく調べてから注文する必要がある。
これらは最低限必要な部品で、他に工具や消耗品、もろもろ。なんだかんだ、空冷で動いているPCを本格水冷にするだけでも、5万円~10万円の出費が必要に・・・。
おまけに国内では手に入る水冷パーツは非常に数が少なく、Thermaltakeから出ているもの以外は基本「あればある」みたいな在庫状態で、おまけにAmazon等ではマーケットプレイスの並行輸入品が手に入るとはいえ比較的割高な事が多く、基本的に個人輸入に頼らざるを得ない状況。そこもハードルが上がっている大きな原因でしょう。
しかし、前回も書いたがこれはロマンなので、そんなことは問題ないのである。