影従の霊鬼夜行 ここまでのあらすじ
逢の章から九余半の章まで、大まかなあらすじ的な何かです。
強い霊感を持つ少年『御影司』は、母親の親友である女性『四方裏綾乃』の要請により、綾乃が村長をしている村、初瀬村に赴く。
初瀬村には、御影家の本家であり、村の集会所の役割を果たす大きな屋敷があった。その中で司は一風変わった霊『逢魔』と出逢う。
逢魔と綾乃の小競り合いを止めた司は、四方裏綾乃が妖怪の首魁である事と共に、ここ初瀬村が日本最後の妖怪の理想郷である事を知った。
綾乃が司を初瀬村に呼んだ理由、それは初瀬村にある数多の問題を司に解決させる為であった。村の中での妖怪の揉め事に手出しが出来ない村長の代理として、強い霊感や霊力を持つ御影の人間が存在し、問題の対処にあたるのである。
司と共に戦う妖怪として、鎌鼬の長『風尾』が仲間となり、司は御影の人間の証とあるツキヒの武器、刀の叢影を綾乃から授かる。次に、鬼から勧誘を受けると同時に、争ってもいた大入道の『弁慶』の挑戦に打ち勝った事で、弁慶は司に忠誠を誓った。
逢魔、風尾、弁慶、三人の妖怪を仲間とした司の前に、一人の少女が姿を現わす。彼女は司が初瀬村に赴く以前に唯一交友を持っていた先輩『幽吹』であった。
今まで人間だと思って接していた幽吹の正体は妖怪、魑魅である事が明かされる。そしてその幽吹は、初瀬村の三大勢力、鬼の一族、天狗忍衆、河童水系から厄介視されている存在でもあった。
幽吹は初瀬村で、司の仲間となる事を望むが、それを簡単には許さない三大勢力を構成する三大妖怪の長達。そこで幽吹は、かつて初瀬村から去ってしまった四獣神を自らが連れ戻す事を提案し、三大妖怪の長、三将とも呼ばれる鬼の『鬼玄』、天狗の『飛禄』、河童の『河凪』はこれを承諾する。
幽吹によって、半ば強制的に四獣神探しに付き合わされる事になった司達。綾乃の協力もあり、日本各地に隠れ住んでいた初瀬村四獣神のクモ、カラス、ヘビ、そしてイヌの『八房』との接触に成功し、幽吹の友人である四候の面々とも合流。司達は綾乃、四獣神、四候の下で特訓を受け、司は御影の人間に伝わる陰力による陰術、霊力による召喚術を最低限身に付ける。
四獣神が初瀬村に戻る条件として求めたのは、三大妖怪との力関係をハッキリさせる事であった。四獣神を村に連れ戻す為の手段は問われていない。よって、幽吹は四獣神、四候と共に三大勢力との戦を画策していた。
自らの意思とは関係無く戦に巻き込まれる司だったが、世話になった八房を始めとした四獣神のため、そして自らの為に奔走した幽吹のために決意を固め、三大勢力との戦いに挑む。
初瀬村第四勢力の長、天逆毎の『嵐世』の参戦もあり、四獣神VS三将の戦は四獣神の勝利で幕を閉じた。これにより四獣神は晴れて初瀬村に正式に戻る事となった。三将と幽吹が結んだ約束により、幽吹も司の仲間入りを果たす筈だったが、戦の後、幽吹は村から姿を消してしまう。
幽吹の行方を僅かながらも気にする司に、ツキヒの武器を所持する塵塚怪王の『儀右衛門』から助力の依頼が届く。儀右衛門の夢は、幽霊機関車の初瀬号を日本中で走らせる事。初瀬号の走る線路を陰力によって形成する事を頼まれた司は、陰力の扱いを上達させる為にも儀右衛門に協力する。
その後、初瀬村に司の母である『御影月夜』が訪れる。妖狐、大首、古空穂を従えた月夜は司に対して、初瀬村の妖怪の宿敵である『旭』と戦う御影を問う選挙を挑む。ただし、司に選挙の詳細は知らされず、司の実力を計るための模擬戦であると伝えられた。
逢魔、風尾、弁慶と共に月夜達との戦いに挑む司。しかし、圧倒的な力の差を前にし、司の仲間達は戦闘不能となる。そんな絶体絶命の窮地に立たされた司を救いに現れたのが、八房と幽吹であった。幽吹の提案により、月夜は司への隠し事を止め、話し合いで御影の今後を決める事にする。
司は残していた切り札、儀右衛門の乗った初瀬号を援軍として発進させたと同時に、陰力切れを理由に勝負を放棄する。だが、儀右衛門と彼の操る初瀬号、付喪神達の攻撃により、月夜は選挙のルール上使用不可の陰術を使用し、選挙は引き分けで終わった。
選挙の後、御影の人間に課せられた真の使命を知り、母と共に旭と戦う事を決めた司。弁慶と風尾は実力不足を理由に綾乃の古い友人であるオオヒトの『八雲水臣』、鎌鼬の始祖である『シナツ』と修行の旅に出ることになる。そして司には月夜から、暫しの休暇が与えられたのだった。