文体への欲求
美しい文章がなによりも好きで、それだけで読んでいて気持ち良くなります。子どものころ、初めて読んだ小説はズッコケ三人組だったように思いますが、文章に惚れたのは中学生の時でした。本屋で見つけた本多孝好のMOMENTのことです。静謐な、と表現されるその文章のリズムにやられてしまい、なんども読み直したものです。
美しい文章で綴られた物語は、それだけで美しくなるとおもいます。しかし、美しい物語だからこそ文章が美しくなるのではないかという考えもあり、そもそも美しいとは何か、という悩みに至ります。
自分の中で美しい文章を書きたいという欲求があって、同時にそれよりも読みやすいものをとか、まずは物語を面白くとか、色々と試行錯誤しております。イセコーも4冊に至りました。ようやく書くということに少しだけ余裕ができて、文章についても頭を捻ることができるかもしれません。ただ、やっぱり、世界観に合った文体というのがあるもので、イセコーもすでに一定の文体というのが定まっています。これから急に美しい静謐な文体を、なんてすると、雰囲気が変わってしまいますね。
だからまあ、やっぱり、語られるべき物語があってこその、文体の雰囲気なのかもしれません。
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