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【実験:04】用紙“STEAM WORLD”
※この記事は以前のブログからの再掲です。
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“STEAM WORLD”は装丁デザイナー監修のもとに、スチームパンクの鉄と錆をイメージして開発されたパール感の強い加工紙です。
2020年3月から「METALサンバ」の用紙として追加され、そのシックな色味、鈍く反射するパールの渋さ、どの色もそれだけで世界観を感じる用紙だと一躍人気用紙になりました。
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導入しているのは上記の画像、左から順に以下の通りです。
(※現在は下記に加えて3種の寒色系用紙を追加しています)
CHALCOS/カルコス(銅)180kg
ASTROLABE/アストロラーベ(真鍮)180kg
RUST BELT/ラストベルト(錆)180kg
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拡大すると分かりますが、紙の表面には更紗のような この紙独特の地模様があります。また、この紙は元々用紙自体がツヤのない黒色のため、表面以外は全て黒色になります。
表2.3印刷や小口染めが無くとも、裏面や断裁部分も黒く仕上がる魅力的な用紙です。
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印刷の再現としては、ミラックス(光沢シルバー)に比べ用紙自体に色味が加わっている分、白押さえをしたとしても“ややダークな仕上がり”になります。
上の画像は白押さえを100%で行っていますが、少しシックな紙色が印刷色にも影響したようです。白押さえをしてもミラックスと比べると少し落ち着いた色味になってしまいます。そして明るい色味は白を強く感じます。
このnoteの最後に、比較ができるようにミラックスを含めた刷り上がり画像を掲示します。イラスト原画と見比べて、データ作成のご参考にお使いください。
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尚、参考画像では表面加工の無い写真を掲載しておりますが、実際に本の印刷を行う場合は上記画像のように「クリアPP/マットPP」から加工をお選びいただきます。
マットPPを使うとシルクのような落ち着いた輝きになり、印刷色は少し淡く感じるように。クリアPPを使うとミラックスのような強い光沢をもち、その分色も濃く見えるようです。
グッズ商品「イラストカード」では 逆に「表面加工無し」のみのご案内となります。冊子に使用する前のお試し印刷としてもご利用くださいませ。
刷り上がり見本一覧
※画像は解像度を下げています。色味やデータ作成の見本としてご使用ください。印刷は全て「オンデマンド」で行っています。「オフセット」の印刷見本は無料配布資料「表紙用紙見本帳」にございます。
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※2024.3 更新 最新の用紙を含めた比較を用意しました↓(オンデマンド)
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アストロラーベ・ラストベルトは他用紙に比べて白押さえによる影響が強く、色が全体的に白んで見える印象です。
2枚目の印刷データは白押さえ対策として、1枚目の元画像と全く同じものを新規レイヤーとして複製し、透明度100%のままクリップスタジオの「乗算」を掛けたものを印刷しました。
色を濃くしたため印刷色も濃く再現されましたが、逆に胴やお尻あたりの青は濃くなりすぎてベタ部分が逆に白んでしまったり、潰れてしまった部分もあります。
データ作成のご参考になれば幸いです。