歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』を観た記
新橋演舞場。尾上松也さんがライの回を観ました。
劇団☆新感線の作品は、ゲキ×シネで観劇済。
市川染五郎さん（当時、現・幸四郎さん）のすさまじさと、テレビでたまに拝見するだけでは全くわかっていなかった阿部サダヲさんの魅力に、放心して映画館を出ました・・・
筋は同じ、でも
筋が変わらないので、安心して観られつつ。
歌舞伎役者さんが演じるとこうなるのね？！という発見も多くて楽しい。
特に女方さん！
『狐花』の悪女で魅せられた坂東新悟さんが、今回もコケティッシュに可愛くて、一途ゆえに悪くもなれる”女性”で悶えさせられたし、
片岡千壽さんのオクマちゃんは、ドスの効いた声もしつつどんどん可愛く見えてくる（さらに、キンタについていく体力・脚力と、山の民ときちんと交渉して仲良くなっているコミュ力。超有能。）、
ツナ様は言うまでもなく。中村時蔵さんは、「葛の葉」といい「妹背山婦女庭訓」といい（「妹背山婦女庭訓」はイジワルな官女たちと仁左衛門さんに、客席を持っていかれた感はしつつ）、怒り・負の感情のパワーがすごい。「夫に女性として愛されて～」的な台詞のときに、生々しい印象を受けなかったのは（宝塚レベルで清い）、”女方さん”という特性もあるのかも。
体力おばけ（誉め言葉）
出ずっぱり喋りっぱなし動きっぱなしの尾上松也さん（しかも、今回も水に打たれて、さらに宙につられてる）、
ばーっと登場して働きまくる尾上右近さん、
市川猿弥さんもこんなに殺陣を？！
そして何役も兼ねながら、殺陣踊る殺陣殺陣と活躍される方々・・・
歌舞伎役者さんの気力体力って、どこで身につくの？！寿命縮めてない？！？と不安になるくらい。
お願いだから、いのちだいじに。
新感線作品、だいたい歌舞伎にできるのでは
古田新太さんの役を市川猿弥さんにやっていただいて（ものによっては、坂東彌十郎さんも！）、劇団☆新感線作品は、他にも歌舞伎に移植できそう。
今回は役柄出番があまりなく、もっと活躍してほしいのに～と思う役者さんも多く。
今回も大満足。もっとたくさん観たい！！！
年末に贅沢な気持ちになりました。