『四月大歌舞伎』が美しすぎた記(昼の部)
昼夜通して約10時間歌舞伎座に居ました。>まるで江戸時代の歌舞伎見物のような見方!
流石に観る方も疲れましたが大満足の1日でした。
4月のお芝居は上方・関西成分多めでしょうか。それも含めて面白かったです。
双蝶々曲輪日記
何一つ欠点のない大満足の演目でした!
特定のお役や演者さんにとらわれることなく全体通してはらはらどきどきし、最後に涙ぐみ、どうか登場人物全員に幸せになってほしいと、胸をおさえました。
このお話のみんながみんなお互いを思い合って、普段は楽しく過ごしていて悪いひとがいない、背景にある素朴だけど素敵で(ちょっと羨ましい)日常や関係性まで短い時間で伝わってきて、いいお芝居ってゼロからイチまで言わなくてもわかるんだ~!とキュンとしました。
人間国宝
梅玉さんのことは、刀剣乱舞歌舞伎で”国宝””莟玉さんのお養父様”として認識していましたが、微笑ましくも可愛くも格好良くもあり、家族を思ってウキウキしたり、こっちまで一緒にウキウキハラハラさせられて、これが人間国宝か!と。笑
梅玉さんだけが良かったわけではなく、
お母さま役の東蔵さんも、子どもを思う揺れ動く気持ちにこっちまで「そうそうそう」となり、よいお姑さんなんだなと思わせられたり、
扇雀さんの、楽しい夫婦やお姑さんとの関係性に嬉しくなってこちらもニコニコしたり、お姑さんと旦那さんを思ってなんとかしようと苦心するのを応援したり、
途中からはみんなにどうにか幸せになってほしいと祈るような、ストーリー全体を観劇しているのに応援しているような、素敵な体験でした。
舞台装置も良かった~
あ、なるほど!そういうことね!と途中で気づかされる配置。
縄・窓の効果があってのストーリーで、舞台前面を平面でみる配置の中に、この構図を入れ込んだ方はすごい。
夏祭浪花鑑
歌舞伎って、勢い余って殺してしまった系が多いんでしょうか?前にもこんな「悪気はなかったけど、殺しちゃった」系を観た気が・・・
江戸の死生観なのかもですが、割と人間、事故や間違いでよく死ぬ。殺される。けど、生きぎたないのか、演出か、死ぬまでが長い。
また愛之助さんが脚を見せつけてきた(笑)
ルパン歌舞伎でも、三月歌舞伎でも、その昔も、美しいおみ足を見せつけてきた愛之助さんが、今回も美しいおみ足を惜しげもなく出していらっしゃいました。
脚のきれいさはもう知ってます~。ごちそうさまです~。という感じ。笑
さらに今回は女形もされているとは。大向こうで「え?え?」となったくらい、別人でした!
歌六さんが粋!
たぶん、まだ国立劇場に通っていた学生時代に、歌六さんを拝見していると思います。記憶にあるような。。
なにしろ格好いい!!!
なぜまた歌六さんも脚を見せつける?!(笑)
女房さんとのやりとりやラブラブな感じも可愛いし、粋!
粋と年齢は関係ない!いつでも格好いい人は恰好いい!!
なんだ可愛いと思ったら莟玉さんだった
ちょっとしたAKB的会えるアイドルでした。きゃぴきゃぴ。
女性として「わたしの二十歳くらいはあんなにきゃぴきゃぴしていなかったし、可愛さを求めることもしていなかったし、すでに世間との戦いに疲れて、どこにそういう要素を捨ててきてしまったんだろう?!今からじゃ遅い!ああいう可愛いを全面に追い求めて愛し愛される時代があってもよかった!やってしまった!」と悔しく後悔するくらい可愛かったです。(笑)
捨てられない親・しがらみ
義父役の橘三郎さん、八十歳?!?なのにあんな泥と水にまみれた立ち回りを?!?!?歌舞伎役者さんによくある、スペシャル!
殺しの場面が少し長く感じたものの、断ち切れないしがらみってそうだよなあと・・・
身の回りを思い浮かべて心が痛くなり、ああ・・・終われるものならまだ、終われないから家族なんだよなと、悶々としたところまで感じいりました。
愛之助さんは本水といい、ご自分の身体の魅力・魅せ方をよくわかっていらっしゃる?!と、キュンキュンでした。