「日本人は英語を話せない」という呪縛
「日本人は英語を話せない」メディアやネットでよく目にする言葉ですが、真実でしょうか? 私たちは、この言葉に動揺したり反省したりと踊らされていないでしょうか?
こんにちは。ドイツ在住のトモキリと申します。
以前、イギリスには17年ほど住んでいました。
「日本人は英語を話せない」「中学校から6年間も習っているのに」
皆さんも一度ならず耳にしたことがあると思います。
私も昭和時代から耳にタコができるほど聞いてきました。
本当に日本人は英語を話せないのでしょうか?
私は大いに疑問に思っています。
例えば、私が暮らしていたイギリスの地方都市には日系のメーカー企業が
多く進出しており、日本人駐在員とその家族が多数いました。
海外駐在員といっても職種様々で、大使館や商社関係の駐在員の方々はそのお仕事上、英語が堪能な方ばかりです。
一方、メーカー勤務の駐在員は技術がメインですから、必ずしも英語が堪能であるとは限りません。とはいえ、仕事を一緒にする現地社員と英語で会話せざるを得ず、たとえ苦手でも英語を話すことになります。そして、毎日
イギリス人と仕事をしていくうちに、どんどん上達していきます。
また、奥さんたちは皆、「英語なんてとっくに忘れた」「日本で外国人と話したことない」などと言っていました。ところが、いざ自分の子供の担任の先生と面談がある時は自分が持っている全ての語彙を総動員して英語で話した、と言う人が多かったです。
また、子供のためにイギリス人のママ友と英語でなんとか話して子供同士
遊ばせてる、という人が多かったです。
このように、英語を話さなければならない環境に身を置くと、中高6年間
英語を学んできた日本人は、特に英文科卒でなくても、英語を話せるようになるのだと思いました。
英語を話さなければならない環境、というのは日本に住んでいる場合、外資系企業に勤務する人や外国人相手の仕事の人などに限定されますので、多くの人はそのような環境は持てません。
けれども、今の時代は、数々の無料の英語学習動画や、外国人先生の英語教室、オンライン英会話など生の英語に触れる機会が多く、日本人の英語力は上昇しているのではないかと思うのです。
私個人の経験ですが、旅先で日本人がごく自然に英語で用事を済ませている様子を何度も見かけましたし、日本でも浅草で外国人旅行者を英語で助けている若い人の姿も何度も見ました。
昨年、あるドイツの空港で出会った若いアジア人女性と出発時間まで英語で話していたのですが、最後にお互い日本人だとわかり大笑いしたこともありました。
「日本人は英語を話せない」という時代は実は終わっていて、もうその呪縛から解放されるべきではないかと私は思います。
いつまでもこのネガティブな言葉を内外に言い続けていると、本当に世界から「日本人は英語が話せない」という先入観を持たれてしまうのではないかと懸念します。
そのようなネガティブな言葉は、英語を勉強する人に「苦手感」を植え付けるものでしかないでしょう。
せっかくの向上心を折ってしまうことになると思います。
他国と比較してもどうにもならない話ではありますが、私が住んでいる
ドイツでも英語を話せない人のほうが話せる人より圧倒的に多いです。
大都会では英語が通じても、郊外の普通の町では英語はめったに通じず、
ドイツ語が苦手な私は苦労しています。
今、英語を勉強している人たちは、この「日本人は英語を話せない」という言葉やそれに関わるネガティブな言葉全てを完全に無視して、
「自分は今向上している途中である」という自信を持って続けていってほしいと思っています。
今日も読んで下さって、ありがとうございました。
トモキリ
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