イギリスでパトロール中の警官に厳重注意されたこと!
「ほんの1分だからいいか」とパン屋の真ん前に車を停めてパンを買って、車に戻ると、眩しい青色のパトライトを点滅させているパトカーが横付けされ、女性警官が怖い顔で立っていました。
「しまった!駐車禁止の場所だっけ?」と思うやいなや、「子供を車の中に置き去りにするなんて、危険極まりない!あなたの重大な責任問題です!」と、警官は私に怒鳴りながら「こういう少しの油断が取り返しのつかないことになることを自覚しろ!」と続けました。
しかも「これは児童虐待にもなる!」とも言われました。今回は口頭の注意だけにしておくことも告げられました。
私は真っ青になり「I'm sorry」と繰り返し、「もう二度としません」と警官に誓い、解放されました。買い物中の人たちが何事かと集まっている中で、私はショックと恥ずかしさでいっぱいになりながら、車を発進させました。
たった1,2分、しかも3メートルの距離でパンを買うのだから、後部座席の
2人の子供たちをわざわざ下ろして一緒に行くまでもない(面倒くさい)と考えたのです。
イギリスの法律には具体的に明記されていませんが、全国警察本部長評議会が全国児童虐待防止協会NSPCCの定めたガイドラインを支持すると表明しています。
そのガイドラインには、
【12歳未満の子供を放置してはならない、子供一人または子供たちだけで
外出させてはならない】
と書かれています。
このことは、イギリスに引っ越してきてすぐに日本人奥様たちから聞いていました。にもかかわらず、
私は油断したのです。大丈夫だろうとタカをくくったのです。
私の他にも、上の子を学校に迎えに行っている間、下の子(幼児)を留守番させたことを近所の人に通報されたという日本人奥様がいました。
家に戻るとパトカーが停まっていて近所の人たちが集まっていたそうです。向かいの家の奥さんが「私が、通報した。あなたは時々子供を家に放置しているのを知っている」と言ったそうです。
このようなガイドラインに従って、イギリスでは子供の登下校は必ず保護者が付き添います。低学年の場合は、ちゃんと校舎に入るまで、さらに小さい学年は教室に入るまで保護者が同伴します。迎えも同じです。
働いているママさんたちは出勤が遅刻になることを職場で許可してもらったり、子供送迎タクシーを利用したり、おじいちゃんおばあちゃんやシッターさんに頼んだりしてやりくりしています。
周囲の理解と、そういう社会が出来上がっているのです。
The Sunというイギリス大衆紙の記事(02.05.2017)からですが、英国内務省
発表の統計によると2016年の1年間に1141人の18歳未満の子供たちが誘拐されたと報道されています。性的目的の誘拐がほとんどだということです。
毎月100人近い数の多さです。
イギリス人の保護者や警察が真剣に向き合うのも納得いきます。
「誘拐はほんの一瞬に起きること」
であると警官に怒鳴られて以来、私は子供たちが大きくなっても送り迎えを続け、ぜったいに留守番もさせないようにしました。
日本でも行方不明、性的目的の犯罪、誘拐、そして虐待のニュースが時々
ありますが、保護者がどんなに用心深く注意をしていても【その一瞬】に
犯罪は起きるのですから、やはり保護者をはじめ誰か大人が子供たちを常に目視して守っていくことが最善ではないかと思います。
夏休みがもうすぐ始まるところが多いと思いますが、誘拐は他人事ではなくその一瞬はいつでも起こりうると、お子さんをお持ちの方々にくれぐれも
気をつけてほしいと思っております。
今日も読んでくださり、どうもありがとうございました。
トモキリ
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