博士号を取るためには〜最近の卒業生が教えてくれた5つアドバイス
毎週土曜日は、ScienceのCareer Newsを読むことを恒例にしています。今日は第四回目。
選んだ記事のタイトルは、「To navigate a PhD., recent graduates offer these five key pieces of advice」日本語訳すると...「博士号を取るためには〜最近の卒業生が教えてくれた5つの大事なアドバイス」という感じですかね?
この記事を書いているのは、Abigail M. Brownさん。テネシー州ナッシュビルのVanderbilt University医学部で生物医学の博士課程のアウトカム研究の教授をしています。
アウトカム研究(Outcomes research)
公衆衛生研究の一つの分野。疾患治療による経済への影響や、その患者が社会に及ぼす影響を統計的に分析する。
この記事は、Brownさんが毎年卒業生に聞いている「Do you have any advice for future graduate students?(将来の大学院生にアドバイスはありますか?)」という質問から始まります。
最初に出てくる学生は、「もっと早く博士課程取得後のキャリア計画を立てていればよかった」と。毎年入学時には「早く博士課程取得後のキャリアを立てなさい」と言っているのに...その学生さんにBrownさんはもう一度質問します。「どうしたら新入生に届くと思いますか?」。彼はこう答えるのです。「入ってくる学生は理系の大学院生です。彼らにデータを見せるべきだ!」と。それからすぐに、データを集め始めました。3年続けていると質問をすると同じような答えが返ってきたりするので、それをまとめてここに、「卒業生が提案するPhDを取るための5つのアドバイス」として紹介しています。
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① 指導者を慎重に選ぶ
卒業生の32%が、博士課程の学生がすることができる最も重要な決断だと位置付けています。多くの学生は、自分が興味を持った分野の指導者につきますが、どのような指導のスタイルが自分に最も適しているのか?を考えるのが重要。自分に合った指導者を見つけることは、特定の分野を研究している人を見つけるのと同じくらい重要だとのこと。
「科学者と指導」に関しては前回のScience Career newsでまとめています。
② 早めに将来のキャリア計画を立てる
どのようなキャリアが良いかを決定し、それに向けた準備を始める時間を確保しよう。卒業生の20%ができるだけ早い時期に将来のキャリア計画を立てた方が良いと言っています。早くキャリア計画を立てられれば、大学院での時間を必要なスキルを習得するのに使うことができます。どの職業が良いかを見るには、有益なのインタビューをしてみたり、卒業生が自分のキャリアについて議論するセミナーに参加したり、インターンシップに行ったり、そのほかにも様々な方法があります。
③ 精神衛生に気を付けよう
大学院にいるときには浮いたり沈んだり、精神が不安定になってしまうことがあります。卒業生の13%は、「誰かに相談したい!」と感じたら躊躇しないでキャンパス内でも、外でも相談するべきだと答えています。「もしあなたが幸せでなならば、それをなんとか変えてみてください」とある学生は言っていました。自分が孤立しているなと感じるときには、キャンパス内のグループに参加して他の人とつながることをお勧めしています。
④ 目標を明確にする
卒業生の12%が、博士課程の間を通して自分の進捗状況を批判的に評価することをお勧めしています。研究やキャリアの目標を「いつ達成したいのか?」の外枠を作成してその計画を自分ののもにしましょう。中には、個人成長計画書を使って、指導者や論文委員会と話し合いをする学生もいました。目標を設定して、自分自身で責任を持つということは、継続的に続ける習慣にするべきだと言っています。
⑤ ワークライフバランスを考える
これは人によってまちまちです。が無視できないことではないでしょうか。大学院では朝から晩まで研究することが求められていますが、正しいワークライフバランスは精神的な健康と生活の質に重要な影響を及ぼします。卒業生の9%が、趣味を見つけたり、友達と集まったり、地域社会でボランティア活動したりなど、リラックスするの時間を作ることをお勧めしています。
よく読んでいる読者の方は、上の数字を全部足しても86%にしかならないことをお気づきかもしれません。他のアドバイスも載せておきます。自己主張をしっかりして自分が必要なものを求める、コントロールがしっかりしている限り実験結果を信頼しましょう、出版可能な論文に必要なものを中心に計画を立てましょう...などなど。
最も大事なことは、早い段階で今回の指摘を心に留めておくことが大事です。例え始めたばかりで合っても、前を向く必要があるのです。
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※ 個人的な勉強目的での翻訳なので、誤訳などがあるかもしれません。ご了承下さい。
博士課程取得後のキャリアって想像するのは難しいですよね。目の前のことに集中するだけだったら誰でもできます。でも、今やっていることは将来の自分につながることなんですよね。
「なんとなくこれがやりたいから...」ではなく、「将来これがやりたいから」と博士号を取得することが大事なんだと気づかされました。これは日本でもアメリカでも一緒です。
博士号だけではなくて、社会人でも同じ。今やっていることは将来の自分に必要かどうか?を問い直すことが必要なのかもしれませんね。
それでは、また!