見出し画像

海外生活で子供の英語力はどのくらい伸びる?

「子供の英語力はどのくらい伸びた?」
海外生活をしていると、よくこんな質問を受けます。

カナダに来て1年半が経過したわが家の5歳の息子は、スピーキングとリスニングの能力はかなり伸びましたが、読み書きのスキルはまだこれからといった段階です。また、息子はフレンチイマージョンスクールに通っているため、英語を学ぶ環境に少し特徴があります。

本記事では、息子の英語力や幼少期に身につけた英語力の特徴、読み書きスキル向上のために取り組んでいることについてまとめています。



1. 息子の英語力:1年半でここまで成長!

現在5歳の息子は、今年の9月からElementary School(Grade1、日本の小学1年生)に通っています。簡単な日常会話であればネイティブのような発音で話せるようになり、学校では友達や先生とのやりとりに困ることはほとんどなく、授業での指示や活動内容の理解には問題がないようです。

一方、読み書きのスキルはこれからの段階です。Kindergarten(幼稚園)では読み書きの練習時間がありましたが、英語の「話す聞く」の習得途中だったこともあり、家庭での読み書き練習はあまりできませんでした。そのため、Grade1になった時点では簡単はアルファベットが書ける程度。学期初めに受けた読み書きのテストでは「基準にかなり達していない」という結果が出てしまいました。日本語でも読み書きは勉強しないと覚えないので、当然の結果ではあるのですが……。

また、息子はカナダに来てからずっと、フレンチイマージョンスクールに通っているため、英語だけで学ぶ学校に比べると、英語力を伸ばす機会は少ないかもしれません。フレンチイマージョンスクールというのは、フランス語で教育を受けるカナダ独自の教育プログラムの学校です。Kindergartenでは英語とフランス語が半分づつでしたが、Grade1では算数以外のすべての授業がフランス語で行われています。

2. 英語力の伸びを振り返る:話せるようになるまでの道のり

息子がカナダのKindergartenに通い始めたのは2023年5月(4歳、日本の年中)でした。その後の成長は以下のようなステップをたどりました。

●2023年5月~6月
Kindergarten JK(日本の年中)
日本では英語の勉強をしていなかったので、英語が全く話せない状態で学校に通い始めました。今思うとそんな状態で、初日から一人でスクールバスで学校に通い、息子もよく頑張ったと思います。
2か月たって、簡単なやり取りができるようになった時点で夏休みになってしまいました。

●2023年9月
Kindergarten SK(日本の年長)

多少英語がわかるものの意思疎通ができる状態ではなく、新学期初日も大泣きしていました。が、そこからメキメキと英語力がアップ!

●2023年12月
カナダに来て約半年後には、友達と簡単な英語の会話ができるように。遊びを通じて徐々に言葉を覚えていきました。

●2024年3月
英語で友達とけんかをする場面も増え、感情を表現する力がついてきました。この頃には会話がかなりスムーズに。

●2024年6月
Kindergarten卒業時点では、仲の良い友達もできて誕生日会に招待されることも増えました。そこでもほとんど問題なく会話をしていて、初めて会ったお母さんに「僕のママだよ!」と私を紹介してくれたり、積極的に他の保護者とも話をしていました。

周りのお子さんを見ていても、このくらいの年齢だと約1年くらいで言葉の問題がなくなってきているように感じます。
環境に馴染めなくて最初の3か月(半年)はずっと泣いていたというお子さんもいるので、そういう場合は英語の習得が少し遅くなり、言葉の習得は性格の影響も大きいとは思いますが。

●2024年9月
Elementary School  Grade1(日本の小学1年生)
9月の入学時点では、リスニングやスピーキングでは問題がなくクラス活動に参加できていますが、読み書きには課題が残っています。

3.幼少期の英語力の特徴

このように耳から学ぶ幼少期の英語力は自然に伸びます。子供が英語で友達とコミュニケーションを取っているのを見て「英語がペラペラになった。これで大人になっても英語に困ることはない」と思いがちです。しかし、小学校低学年で海外に住んで英語を習得し、社会人になってネイティブ並みの英語を使いこなして仕事をするようになるには、それなりの努力が必要だと思います。

1)小学校低学年は幼稚な英語しか話していない
子供たちの会話をよく聞いてみると、単語だけで話をしていたり、文法的に正しくないこともしばしばあります。そのため、そのままの英語力では社会人になって使えるレベルにならないのは言うまでもありません。

2)小学校低学年の場合、すぐに覚えるがすぐに忘れる

耳から学ぶ幼少期の英語力は自然に伸びます。しかし、周囲の帰国子女を見ていて感じるのは、小学校2年生くらいまでは自然に耳から学べるものの、帰国後に努力をしないとあっという間に英語を忘れてしまうということです。一方、小学校3年生以降くらいになると、英語の習得に最初は苦労しますが、ある程度理論的に学ぶため、英語の定着率が高い(帰国しても忘れる確率が低い)ようです。これについては多くの言語学者の文献にも記載されているので、詳細は割愛します。(上記は、あくまでも1年半海外に住んだだけの一母親の見解です)

また、いくら自然に英語力がつくといっても、やはり産まれてからずっと英語圏で生活している子供に比べれば語彙力も表現力も劣ります。

ある日、友達とけんかをした息子が、「友達は先生に僕の悪口を言ったけど、僕は言わなかった」と話してきたので、「偉いね」と褒めたところ、息子は「だって、英語でなんて言えばいいかわからなかったんだもん…」とちょっと悔しそうに答えました。

この時、簡単な会話ができるようになっても、複雑な言葉や表現になると、ネイティブの子供たちには全くかなわないのだと改めて実感するとともに、息子の気持ちを思うと少し切なくなってしまいました。

「帰国子女は自然に英語が覚えられて良い」などと言われますが(恥ずかしながら私もそう思っていました……)、彼らは彼らなりの苦労を多くしていると、息子や周りの子供たちをみて感じます。

4. 読み書きのスキル向上に向けた取り組み

スピーキング力やリスニング力は伸びたものの、読み書きのスキルはまだ発展途上です。そこで現在、次のような方法で息子の学びをサポートしています。

① フォニックスで基礎を固める

学校ではフォニックスを使って学習しているため、家庭でもその方法に合わせています。以前、日本の英語教材を使ったところ、アルファベット読みだったので、学校の教え方と異なり混乱が生じたため、現在はフォニックスのみを利用しています。

② 利用しているアプリや教材

現在読み書きの勉強のために使用しているのは、Reading Eggsというリーディング学習アプリです。ゲーム感覚で楽しみながら学べるため、飽きずに続けられています。

また、Storyline Onlineというサイトではプロの俳優が絵本を読み聞かせしてくれるため、英語の読み聞かせにおすすめです。

③ 家庭での読み聞かせ(を習慣化させたい……)

先生から、「毎日英語とフランス語の読み聞かせと、自分で読む時間を作るように」と言われていますが、まだできていない状況です……。

おわりに

カナダでの生活1年半で、息子の英語力はスピーキングとリスニングが大きく伸びました。しかし、読み書きのスキルはまだこれからの課題です。

読み書きができれば英語を忘れる確率が低いとも言われているので、家庭で読み書きのサポートを進めています。

初めはワークブックや絵本で取り組もうとしたのですが、息子はそういった教材だとあまりやりたがらないので……、今はゲーム性のあるアプリを活用したり、子供の特性を見ながら、最善と思われるものを日々模索して一緒に取り組んでいます。(言葉で書くと簡単ですが、いざやるのは結構大変ですが……)

また、今回は詳しく書きませんでしたが、フレンチイマージョンスクールに通っているため、英語だけでなくフランス語も勉強する環境のため、その面でのハードルも高いです。


いいなと思ったら応援しよう!