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その人らしいプレゼン

私の職場では週に一回、様々なテーマについて調べてプレゼンをしてもらう時間があります。一回の発表者は3人~4人で、各回のテーマの割り振りや順番はオーガナイザーである私が決めています。みんなの前で発表して、全員から評価をしてもらって次回の改善につなげるという、若手にとってはまあまあストレスのかかる時間なのです。あまりプレゼン経験がない人もいるので、みんなの前で発表する前にチェックしてほしいなんていう相談にも乗っているのですが、どうアドバイスするかその都度悩みます。

数日前に「プレゼンを見てもらえますか」と連絡が来て、作ったスライドを見ながら確認しました。あれこれチェックしましたが、間違っていることは何一つないのです。書いていることは全て正しいし、強調すべきところもきちんと強調されている。なのに、全然心に響かない。

本人も「どうも物足りなくて。ここからどうしたらいいんスかね?」というのですが、なんというか、テンプレートにすべて乗せたかのようなスライドと原稿なので、骨格しかない感じなのです。

スライドに「自分らしさ」を出す必要はないのですが、人前で発表する以上、「その人らしさ」というのはどこかに出てくると思うのです。他の人がよく知らないこと(発表者もよく知らなかったこと)をテーマとしているので、本人なりに調べて理解しようとする過程でいろいろ気づきがあるはずです。「自分だったらこう説明してもらったらわかりやすい」という例を挙げるとか、図解をするとか、調べる過程で見つけた面白い話をするとか、あるいはストーリーのつくり方、話し方といった工夫をいれることで、骨格に肉付きがされて、「その人らしい」発表になっていきます。

なので今回は骨格だけ見せられて肉付けを丸投げされた感じだったので、どう説明しようかとヤキモキしてしまいました。

例えば「私だったらこうするよ」、という具体的なアドバイスをすると、多分そのまま実行して「指示されたとおりにやりました」となりかねない。本人に考えて肉付けをしてもらわないと、本人の力にならないし、うーん。

そんなこんなを考えて上述の説明をしたところ、納得してくれたように見えた・・・のですが。

今日の本番、つまりみんなの前での発表では、ほとんど変更なしの「骨格部分」だけでした。予想通り、みんなからの評価もすこぶる悪かったので、本人としても残念なことでしょう。ここから一歩先の「気づき」を得られるようにどうアドバイスをするか、また思案のしどころです。私ももっともっと勉強しなくては・・・。