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紙の授業資料は学生に不要?

世の中、ペーパーレス化が叫ばれて久しいのですが。

10年ほど前でも既に書類などはPDFで配布されていましたが、当時の上司はちまちまと印刷してファイリングして残していました。

どういう状況か忘れたのですが、急いで過去の資料をあたらなければならない事態があったとき、上司が「これ使って」と印刷物のファイルを渡してくれたのです。それがすごく役に立って、あっさりお目当ての部分にたどり着いたのでした。

それを見た上司がニヤッとして「結局最後は紙ですよ」と言ったのがすごく印象に残っています。

だからというわけではないのですが、私もクラシックな人間なので「最後は紙」の部分が多いです。というわけで大事なことはメモに書いて残しています。

一方、大学生を見ると大事なことほどスマホに入力したりあるいは写真を撮ったりしています。以前に業者さん(20代前半)にちょっと頼みごとをする際、メモに書いて「これとこれとこれを調べてください」と言ったところ、その場でスマホで写真を撮ろうとしていたのです。あ、いえいえ、このメモごとどうそ、といって渡したのですが、後日あろうことか「すみません、頂いたメモを紛失してしまいました」と言われてしまいました。

むーん、そうか、彼らの価値観に合わせなくてはならないなあ、と思った次第。

大学教員は「最後は紙」と思っている人が多いので、講義資料も山のように印刷して学生に配布したりしています。私は板書派なのであまり資料は配らないのですが、それでも書き込むタイプの資料を作る場合もあります。

PC必携化になっているので、PDFをどこかに置いておいて学生それぞれでダウンロードすることも可能なのですが、私が勤めている大学ではあんまりやっている先生はいないかなー。知り合いが勤める大学はこれが徹底されていて、各自タブレットでPDFを見ながらそこに直接書き込んでいく方式らしいので、やりようによってはうまくいくのかもしれません。

長々と前置きを書いたのはですね、つまり、私が勤める大学でも「ペーパーレス化」を進めようということになったのです!

なんでもコピー代がとんでもない金額になっているらしいのですよ。おカネがかかるところは他にもいろいろあるので、まずはこのコピー代を削減しようというわけで、みんなが「フツー」に使っている事務室のコピー機の使用を制限されてしまいました。

「こっちなら使ってもいいよ」と教員に指定されたのは、すこぶる遅くてあまりキレイでない仕上がりになる、10年以上前に導入したというコピー機。80人分の資料を作ろうと思ったら、一体どれくらい時間がかかるのか…っ!

そんなわけで、次回の授業から資料はPDFでクラウドに上げることになりました。しかし毎日パソコンを持ってくる学生は少ないし、仮に持ってきたとしても机が狭くなるし、かといってスマホで見るのもしんどいだろうし、と思うのですけどね。実は教員が心配するほどのことではなく、学生にとってはこちらの方がラクなのかしら。