Locations
映画の楽しみのひとつ、ロケ地巡り。
映画の舞台として意識して初めて行ったのは、2009年『赤毛のアン』の舞台カナダ・プリンスエドワード島かな。きっかけは映画ではなく本だけど。モンゴメリが大好きで、もちろん映画の『赤毛のアン』も何回も見たし、NHKの「アボンリーへの道」も見ていた。何年もの間、死ぬまでに絶対一度は行こうと思っていた。
たくさん旅行をしていると、映画を見ていて知った風景がでてくる機会も増えてくる。自分の友だちが映画に出ているのを見つけたようで、なんだかちょっと嬉しくなる。その町の雰囲気、人、匂い、まとわりつく空気なんが一気によみがえって、2割増で映画の中に入り込みやすくなるような気もする。
初めておじゃました舞台ってどこだったのだろうと記憶の糸を手繰る。
多分、ベルギー、アントワープの聖母大聖堂。
”世界名作劇場”『フランダースの犬』、ネロがずっと憧れていたルーベンスの絵。初めて外国に興味を持ったのも、同じく”世界名作劇場”がきっかけじゃないかな。『アルプスの少女ハイジ』、アルプス山麓の風景、山小屋の屋根裏部屋の藁のベッド、溶かしたチーズをかけたパン、絞り立てのヤギの乳、どれもこれも見たこともないもの、経験したことないこと。すっごい憧れた。スイスまでは行ったけど、物価の高さに逃げ出して、まだハイジの世界にはたどり着いていない。
『ペリーヌ物語』の家馬車での旅、『母をたずねて三千里』のサルの相棒にも憧れた。
きっと幼い頃から”世界名作劇場”に外国への憧れや旅への興味を植え付けられていたに違いない。
そして今は、時にアルバムのページをめくって懐かしむように、時に今度はどこに行こう、どんな旅をしようと思いを馳せながら、映画を見るのだ。