ほとんど忘れてしまったなかでの、忘れられないこと

はじめまして。
神戸在住のイラストレーターのEikaです。

あまり調子の良くない別のブログサービスからこちらへお引越しをすることにしました。イラストの活動報告や様々なお知らせはもちろん、前のブログに書いていた愛犬についての記事も、こちらに見やすくまとめようと思います。

本当は自己紹介などで最初の記事を始めた方がいいと思うのだけど、今日は、自分が思うことを少し書いてみたいと思います。私は中学生になった頃からインターネット大好き少女だったので、マウスでカチコチと描いたわけのわからない恥ずかしいイラスト、妙なテンションのポエムや日記を黙々とアップするようなティーネイジャーでした。

大人になってから自分の書く文章に全く自信が持てなくなり、書いた文章をあげるのは辞めたのですがやはり10代のころに意味不明に熱中していたものからはなかなか離れられないようです。30歳を過ぎた今、下手な文章を、なんだか書きたくなってきました。

みなさんは10代のころのことをどのくらい覚えているでしょうか?つい先ほどネットとの思い出について書いたばかりの私ですが、実は大体のことはあまりよく覚えていません。日々のできごとや行った場所、食事をしたお店、見た景色、遊んだ友達など名詞となるイメージは思い出せるのですが、その時の自分が考えていたことがあまり思い出せないのです。

そんな私の非常に薄い10代の記憶の中でも良く覚えているある出来事について書きます。

おそらく高校最後の年のことだったと思います。今現在の私は映画鑑賞が大好きなのですが、当時の私は映画を観るのってオシャレだワ、ぐらいにしか思ってなかった時期がありました。当時流行っていたのは「バッファロー66」「あの頃ペニー・レインと」「17歳のカルテ」「ムーラン・ルージュ」「ヴァージン・スーサイズ」(タイトルを眺めているだけでなんだかあの時の空気感を思い出しますね)などなど、雑誌やネットから得た情報を元に片っ端から観たは良いけどあまりよく理解できていませんでした。

ただなんとなくそんな気分だったので教室で映画の感想をそれっぽくノートに書いていたところを、クラスメイトにそれなあに、と尋ねられました。ギョっと恥ずかしい気持ちになりつつも正直に「映画の感想日記だ」と答えると「えー!カッケー!」という反応が返ってきました。

なにも返せなくなるぐらい、ぎゅっと心が掴まれ、とっても高揚した気分になったことを本当によく覚えています。

しかしカッケーと言ってくれた彼は絶対にこのことを覚えていないでしょう。彼と二人で話したことすら、この時ぐらいだったかも。そのぐらい距離のあるクラスメイトです。でも私はこの会話を十年以上たった今でも、まさについ最近も、フイに思い出してしまうほどになんだか忘れられないひとときです。

なんとなく良いと思ってたもの、理由はないけれどやっていたこと、説明はできないけど続けたこと。私の人生はそんなことばかりです。改めて思います、自分の心について、自分は本当によくわかっていない。この人生、自分として飽きるほど生きてきたのに、自分のこと本当に本当に、わかっていないから、私はそれについての覚悟をしておいた方がいいなと。

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