【中学受験】子供にとって代入は理解し難い

 子供に算数を教えていると不思議なことに気づく。りんご3個とみかん2個の和が420円で、りんご4個とみかん5個の和が700円のとき、りんご1個とみかん1個はそれぞれいくらか?りんごを12個にそろえるか、みかんを10個にそろえるかして解く典型的な消去算だ。これは大抵の子が説明すると理解する。

ところが、りんご1個はみかん2個の値段と同じで、りんご3個とみかん4個の和が600円のとき、りんご1個はいくらか?という問題になると、とたんにわからない子が出てくる。

りんご1個をみかん2個に置き換えて考えると、りんご3個とみかん4個の和はみかん10個分に等しいところから解くいわゆる代入法を使うわけだが、これが子供の中にはピンとこない子がいる。なぜか。それはりんごがみかんに置き換わるわけないだろうと捉えているからだ。りんごはりんごであってみかんはみかんなのだ。確かにその通りである。本当は値段がイコールだから置き換えは可能なのだが、納得しない子がいる。

養老孟司さんはこのことを屁理屈ではなく感覚で捉えているからだと説明されていた。確かに子供は理屈ではなく感覚で生きている。理屈で考える算数が苦手な子が多いのは当たり前のことなのかもしれない。

今日はここまで。読者に幸運が訪れますように。

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鄭英治
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