わたしの写真うつりが悪すぎて萎えた話
写真うつりが悪すぎてわたしは萎えていた。逃げた時に有刺鉄線に、ポニーテールが引っかかってしまったのだから、引きちぎらないわけにはいかなかった。引っかかった時まずわたしは持っていた拳銃でどうにかしようとしたけど、拳銃には実弾が入っているだけの重たいガラクタになってしまったので使い物にならない。その次に持っていたピックを取り出したけど、これも金属の塊になってしまった。次にぱんぱんに現金が入った紙袋を取り出したけど、これもただの紙切れが入った紙切れになってしまった。ああもうせっかくパーマ当てたばっかなのに! どうしようとあたふたしていると、なんと奇跡的にアーミーナイフが胸ポケットに入っていた。こんな物騒なもの持っていくか悩んだけど、持ってきて良かった。その小さい果物ナイフでくるくるの髪の毛を丁寧に切っているうちにわたしは捕まったのだけれど、その結果がこれ。これじゃあオルタナティブにもパンクにもアヴァンギャルドにも当てはまらないじゃない!ひどすぎるマグショットのせいでわたしはしばらく立ち直れなかった。それからちゃんとした散髪用のハサミを携帯しなかったことをわたしは深く反省した。次に強盗するときはそれを持っていくと胸に誓い、囚人番号を呼ばれたわたしは元気よく返事をした。