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パワーメーターを取り付けた - Assioma Duo編

RallyをTOAとUltimateで共用にしようと思っていたが…

先日パワーメーターとしてGarmin Rallyを購入したお話は以前した通りです。
本来であれば、ペダル型パワーメーターのメリットを活かして、TOAとUltimateの2台にひとつのRallyを共有して使おうと思うところなんですが、なにせRallyはペダルの付け外しが大変…。
(詳しいお話はこちらをご参照ください)

毎度ペダルレンチに加えトルクレンチを使ってキッチリ締め付けトルクを確認しながら取り付けるなんて、素人でなかなかできるものではありません。
私の結論としては、RallyはTOA専用にしてUltimateには別のパワーメーターを購入しようとなりました。

確かにペダル型パワーメーターのメリットが生かされていない気もしますが、コンポを変えても使い回せたりすることもペダル型の大きなメリットの一つですから、これでよしということで…。

2つ目のパワーメーターもRallyにしたかったが…

確かに付け外しの悪さについてはRallyに不満はありましたが、それ以外は基本満足していたので、Ultimateにも同じRallyを付けて製品の違いによる精度の誤差を極力無くしたいと思い、もう1セット買うことを当初は考えていましたが、とにかく値段が高い…。
2セットも買えばお値段も30万近くなりますからね…さすがに躊躇するのでした。

もう少しお手頃にパワー計測できるものはないのだろうか。
ネットだったりYouTubeだったりいろいろ探し回ってみた結果、やっぱり探せばあるものですね。候補は2つほど出てきました。

1つ目の候補は「4iiii」(フォーアイ)のパワーメーター。
4iiiiはカナダの新興ブランドで、プロチームへもパワーメーターなどの供給をおこなっているので技術力には定評があるようです。
ガーミンやコンポメーカーの純正パワーメーターと比べてお値段もお手頃に入手できることから、最近日本でも注目を集めています。

4iiiiは電池式(充電式もあるようですが)で動くクランク型のパワーメーターを出しています。
左クランクのみ計測できるものから、左右両クランクで計測できるものもあり、クランクの種類もシマノのDURA-ACE / ULTEGRA / 105と各グレードでそれぞれ出しています。
(特に、105の左クランクのみのモデルは実勢価格3万円台後半〜なので、かなりお手頃です)
加えて、代理店のトライスポーツさん経由で、自分が持っているノーマルクランクを工場に送ってパワーメーターを取り付けたもらうというサービスもやっているそうです。

ちなみに、UltimateはDURA-ACE R9100を付けていますが、4iiiiの場合はR9100のデュアルセンサータイプのお値段は海外通販だと10万円前後、ここに関税や送料入れて11万円前後くらいになるのでしょうか。
それでもシマノ純正やRallyよりはお安くなっています。

そして2つ目の候補が「Favero」というイタリアのブランドが出しているパワーメーター。
ペダル型のパワーメーターを出していますが、とにかくコストパフォーマンスが高いのが特徴です。
計測精度はメーカー公称値として誤差1%以内、それでいて両脚計測できるものでお値段なんと8万円台、10万円を切る驚きのコスパの良さ。

ただ、ペダルがLOOK KEOなんですよね。
一応SPD-SLにも付けられるようですが、シマノの場合はセンサーだけの販売でペダル部分はシマノ純正のペダルを加工してつけるのだとか (かつ、DURA-ACEペダルは非対応)。

結局1バイクに1つのパワーメーターになっているので、4iiiiのクランク型でも良いのかなと思っているのですが、今後クランクをさらに軽量化したり、何ならR9200化したいなんてことも考えると、やっぱりASSIOMAにした方が良さそうだなという結論に至り、ASSIOMAを購入することに決まりました。

Favero ASSIOMA購入

海外通販だとAssioma Duoで75000円程度。
そこから関税と送料で6000円強かかるので、トータルで80000円ちょっと。
amazonだと85000円くらいでしたが、送料無料でamazonポイントが10000ポイントくらい貯まってたので、amazonで実質75000円くらいで買えました。
注文の翌日には実物が着弾。

購入したAssioma Duo

パッと見はSPD-SLっぽくも見えますが、対応クリートはLOOK KEOでSPD-SLには非対応です。

LOOK KEO用のペダル

スピンドルの付け根にでっかいセンサーが。
なんかQファクター思いっきり拡がらないか?
という一抹の不安が…。

取り付けは超カンタン

Rallyではペダルレンチを使って規定トルクで締め付けないといけなかった取り付けですがAssiomaは普通のペダルと一緒で、ある程度手で回し入れてあとはアーレンキーで締め付けるだけ。
規定の締め付けトルクがあるわけでもなく通常通り締め付けておけばOKという超絶カンタンな取り付け方法です。
これならば、複数バイク間での共有も気軽にできます。

取り付け後の図

パワーメーターとしての機能は?

機能的には、いわゆるクランク型パワーメーターで標準的に用意されている機能を基本全てカバーしています。
ケイデンス計測もできるので、別途ケイデンスセンサーを付けなくていいのも同じです。
ただし、Rallyでは可能なペダル位置の計測などはAssiomaでは出来ません。

また、前述の通り計測誤差は1%以内でこちらはRallyと同等です。

Rallyの駆動方式はボタン電池式でしたが、Assiomaの駆動方式はバッテリー式です。
1回のフル充電で約50時間駆動できるそう。
週1のみで長くても8時間程度のライドな私にとっては、1〜2ヶ月に1度充電するくらいの頻度で、短期間でバッテリー劣化する心配はなさそうです。
充電はマグネット式でちょっと前のMacbookのACアダプターみたいな感じで本体と繋げられます。

付け根にバッテリー充電端子がついているのでマグネット式で繋げて充電

総合的に考えてみれば、メジャーなクランク型パワーメーターと機能面では全く遜色はありません。

意外に違和感なく普通に乗れる

これまで乗り慣れたものと今回とで大きく違ってくるのは、

  • クリートがSPD-SLからLOOK KEOに変わる

  • Qファクターが拡大

という2点。
特にクリートの違いについては、これまでSPD-SLしか使ったことのない私にとっては、LOOK KEOは未知の世界です。
たまたまビンディングシューズを2足持っていたので、うち1足のクリートをLOOK KEOに変えて早速シェイクダウンしてみました。

まずクリートのSPD-SLとLOOK KEOとの違いですが、結論から言うとほぼというか全く違いはありません。
強いて言うならば、これはLOOK KEOというよりはAssiomaのペダル起因なような気もしますが、装着時にもっとクリック感というかカチッという感覚があるといいなというくらいでしょうか。
気になったのはそれくらいで、ビンディングの付け外しから漕いでる時の感覚は、SPD-SLのそれと違いを感じることはできませんでした。
SPD-SLを普段から使われている方であれば問題なく移行できそう。

続いてQファクターですが、写真をご覧いただくと分かる通り、付け根に大きなセンサーやバッテリーが入っているので、見た目からしてQファクターが拡がったように見えますが、Assioma DuoのQファクターは実は54mm程度。
これまで使っていたデュラエースグレードのSPD-SLペダル(PD-R9100)のQファクターは52mmなので、そこまで拡がったわけではありません。
実際に試乗してみた感じも、私には全くと言っていい程違いは感じられませんでした。
ペダルいちにものすごく気を遣われる方だと、この2mm(両脚で4mm)の違いが気になるケースもあるかもしれませんが、ペダル自体にあまりこだわりを持たれない方にとっては、コストパフォーマンスの良さも考えるとAssiomaは良い選択肢なのかもしれません。

なお、最近発売となっているAsshioma Duo-shi(SPD-SL対応)ですとQファクターは65mmと両脚で1cm以上拡がるので、特にペダルぺダル位置が気になる方は注意が必要です。
(私は気にならない方ではありますが、さすがに両脚が今より1cmくらい外に出るのは大丈夫なのかという思いもあり、LOOK KEOにしました)

AssiomaとRallyを比べてみた

さて、せっかくなので、同じペダル型パワーメーターであるRallyとAssiomaと比較してどの面でどちらが良いのかを比較してみました。
なお、どちらが良いかは私の独断と偏見で書いてますので、その点はご了承ください。

コストパフォーマンスなら文句なしにAssioma

これも前述した通りですが、メジャーどころのパワーメーターが実勢価格12〜15万円する中で、8万円台で買えて基本的な機能は網羅されていて精度も高いのですから、やはりコストパフォーマンスという面ではAssiomaに軍配が上がります。

複数のバイクで共有するならAssioma

RallyもAssiomaもペダル型パワーメーターなので、ペダルの付け替えで簡単に複数のバイク間でパワーメーターを共有できるのは一緒です。
ただし、その付け替え作業のやり易さという面では、圧倒的にAssiomaの方が楽なので、こちらもAssiomaに軍配が上がるんじゃないかと思います。
やはり一般的な工具で香具で簡単に付け外しができるというのは良いですね。

より長期的に使うならばRally

駆動方式については、前述の通り電池式のRallyとバッテリー式のAssiomaで分かれます。
使用期間が3〜4年程度のスパンであればどちらも差はありませんが、さらにより長期に使用しようとすることを前提とすると、やはりバッテリー劣化による駆動時間の短縮化の心配がいらないRallyの方が有利になります。
一方で電池式の場合、電池の交換によるコストパフォーマンスも気になるところですが、電池交換後100時間駆動できることを考えれば、私くらいのホビーライダーなら四半期に一度くらいの交換で済むのでそこまで気になりません。

Qファクターが気になる人にはRally

これは人の好みによるところが非常に大きいですが、もしQファクターが気になるのであれば、やはりより普通のペダルの感覚に近いRallyに軍配が上がります。

より詳細な分析をしたいならRally

パワーメーターとしての基本的な機能や精度に関しては、RallyもAssiomaも遜色ありません。一方で、Rallyは更に詳細なデータ分析も行ってくれるという特徴があります。

以下写真が続きますが、左側がRallyで右側がAssiomaのそれぞれのGarmin Connectからの分析結果画面を比較したものです。

まずは、シッティング/ダンシングの時間や左右のパワーフェーズとバランスの分析。
こちらはRallyもAssiomaも両方とも分析してくれます。

ポジションとパワーフェーズ・パワーバランス(右:Rally・左:Assioma)

次がパワーフェーズのスタートとエンドの分析。
こちらもRallyもAssiomaも対応しています。

パワーフェーズスタート・エンド(右:Rally・左:Assioma)

RallyとAssiomaで違いが出てくるのが、ペダルオフセットの分析。
Rallyは対応していますが、Assiomaは非対応。

左右のペダルオフセット(右:Rally・左:Assioma)

パワーメーターとして最低限必要となる機能や精度に差はありませんが、より詳細なペダリング分析をしたいというニーズがある方には、Rallyの方がオススメです。

以上がAssiomaを購入した簡単なインプレッションでした。
プロ並みのパワートレーニングを必要としない方には、やはりコストパフォーマンスの良さを考えればAssiomaは十分な選択肢になるのではないでしょうか。

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