小さい人のロードバイク・フレーム選びを考える
皆さんはフレームのデザインを考えるとき、何を重視していますか?
人によって好みはそれぞれ違いますので、カラーリング重視の方もいるでしょうし、フォルム重視の方もいるでしょうし、両方を重視する方もいると思います。
また、フォルム重視の方の中にも、直線的なデザインのフレームが好みの方もいれば、丸みを帯びたデザインが好きという方もいるでしょう。
本日は、ロードバイクやフレームのデザインで選ぶ際に、特に日本人に多い(私も含めてですが)小柄な人のフレーム選びあるあるについて話そうと思います。
個人的な独断と偏見に満ちた内容ですが、その辺はご了承ください。
※身長の低い方がロードバイクやフレームを選ぶ際の注意点なんかもお話しするので、多少なり参考にしていただければ幸いです
同じバイクを買ったはずなのに、写真となんか違う…?
皆さんはロードバイクやフレームを選ぶ際に、事前にいろいろ情報収集することとは思いますが、ネットや雑誌などでデザインを見て情報を集める方も結構多いかと思います。
特に、キャニオンのように通販専用メーカーだと購入前に実車確認ができない(自分と同じサイズのバイクをお持ちの方が知人にいれば話は別ですが…)ので、Web上に掲載された写真でしか確認できなかったりもします。
例えば、以下の2つの写真は、同じCANYONのUltimate CF SLXの写真です。
1枚目はCANYONのオフィシャルサイトから借用した写真。
2枚目は私の乗るUltimateの写真です。
私のUltimateは3年前のフレームですが、基本現行モデルとジオメトリやデザインは一緒になります。
いかがでしょう?
オフィシャルサイトに掲載のUltimateのフレームは、僅かにシートポスト側にトップチューブが下がって(スローピング)いますが、ほぼホリゾンタルです(=水平、略して『ホボゾンタル』)。
一方で、私の乗るUltimateは基本同じフレームデザインであるはずなのに、背景の棚のラインを見ていただくとわかりやすいですが、結構な角度でシートポスト側に落ち込んでいます。
また、ヘッドの高さもオフィシャルサイトの写真と比べると、私のバイクの方が短くて、トップチューブ&シートポスト&ダウンチューブの三角形も結構小さいですよね。
色の違いやリムブレーキかディスクブレーキかの違いはともかくとして、同じUltimateのはずですが、だいぶ印象が変わります。
実際、私がUltimateを購入した時も、購入する前まで自分のサイズに合う2XSサイズの実物を見ずにサイトの写真イメージだけで購入を決めたわけですが、実物が納車された時の感想は、「カッコいいけど、なんかちょっとイメージと違ってた」でした。
もうちょっとトップチューブがホリゾンタルだと思ってたのに、割とスローピングしていたり。
まぁそれでもカッコよかったので、今となっては愛着も湧いてお気に入りだったりもするわけですが、購入当時はそんなことを感じたこともありました。
同じフレームでも、サイズによってデザインが変わります
以前にも少し書きましたが、スポーツバイクが昔から盛んな欧米各国のブランドでは、ロードバイクのフレーム開発はLサイズをベースに設計されています。
これは、欧米人の平均的な体格がおよそLサイズだからとも言われています。
Lサイズと言ったら身長にして180cm台です。
例えば私は身長163cmになりますが、180cm台の人が乗るバイクをベースに設計するのですから、20cm近く身長の低い人が乗れるようにしようとすれば、当然股下サイズもその分低くなるので跨りやすいようにサドルに近い部分のトップチューブを下げなければ乗りにくいですし、全般的にトップチューブの高さも下げなければいけませんし、その結果としてヘッドの高さも短くなってしまいます。
身長が下がる分トップチューブを下げたとしても、ダウンチューブ自体はホイールの高さもあって下げられませんので、結果としてトップチューブ&シートポスト&ダウンチューブの三角形は小さくなってしまいます。
(三角形が小さいが故に、ボトルケージから長めのボトルが取り出しにくいのも、小さな人がバイクを乗る時あるあるだったりします)
また、見た目だけではなくて、この三角形が小さくなることで、大きなサイズのバイクよりも剛性も高くなりがちで、同じバイクなのに小さなサイズに乗るとカチカチに感じたり、その結果ロングライドすると疲れに出たりというのも副次的な影響もあったりします。
大きな人でも小さな人でも、自転車に乗る時の姿勢を大きく変えないようにするためには、大きなサイズで設計されたフレームを小さな人向けに最適化してあげる必要がある、そのためにLサイズとSサイズ以下では同じフレームであっても見た目が変わってくるのです。
また、雑誌で紹介されたりメーカーのサイト等でイメージ写真として登場してくるのは、大体がLサイズかMサイズのバイクです。
Sサイズ以下の場合は写真のイメージと実際には少し異なる(大体がトップチューブが写真イメージよりスローピングしていたりヘッドの高さが低かったりします)ことを念頭に入れた方が良いかもしれません。
小柄な人がロードバイクやフレームを買う際にできればやっておきたいこと
もし私のように納車された後で「あれ?写真のイメージとなんか違う」とならないように少しでもできることがあるとすれば、やはり自分の乗りたいサイズの実車を購入前に確認することです。
メジャーどころのブランドの多くが日本国内にブランド直営店を出しています。
また、それこそメジャーどころのブランドであれば、直営店でなくともスポーツバイク専門店でたくさんのロードバイクが売られています。
可能であれば、直営店であれ専門店であれ、可能な限りお店に行って自分の乗りたいバイクの自分に合ったサイズを実際に目で見て確認することをお勧めします。
また、加えて実際に試乗させてもらうのもベストです。
また、キャニオンのように通販専門でやってる場合はどうでしょう…知り合いにキャニオン乗りな方がいれば、実車を見せてもらうというのが良いのでしょうけど、そんな方ばかりではないでしょうし正直難しいですね。
ただ、キャニオンでは時々試乗会をやっているそうで、そうした機会に実車に触れるということは可能です。
小柄な人向けにカッコイイバイクを作るブランドもある
小さな人向けのバイク選びはイメージを掴むのに難しかったりもしますが、実は小柄な人でもカッコいいデザインのバイクを作るブランドも少数ながらあります。
その一つが、私の乗っているCHAPTER2です。
CHAPTER2では、創業者のマイク・プライドさんが、「自分にとって楽しくカッコよく乗れるバイクを作る」という良い意味でのある種の「わがまま」を貫きフレーム開発をしています。
そのマイク・プライドさんの身長が167cmということもあって、フレーム開発はXSサイズをベースに行われます。
そんなこともあって、CHAPTER2はフレームサイズが小さくなっても、スローピングは極力抑えられていたりしています。また、Mサイズ以上のバイクよりもフロントフォークの位置を前側に出して走行安定性を出したりなど、小柄な人でも快適かつカッコよく乗れる工夫がされています。
例えば私の乗っているCHAPTER2 TOAで言いますと…
以下がオフィシャルサイトに掲載されている写真です。
CHAPTER2のオフィシャルサイトから借用させていただきました。
そして、以下が実際に私の乗っているXSサイズのTOA。
どうでしょう?
イメージ写真の方は若干ヘッドが長いのでおそらくSサイズかMサイズくらいなんじゃないかとは思いますが、XSサイズと比べてもイメージ通りですし、何よりXSサイズでも「ホボゾンタル」ですよね。
CHAPTER2は決して有名なブランドではありませんが、日本人の体型にマッチした素晴らしいデザインのバイクを作るメーカーでもありますので、もし興味をお持ちの方がいらっしゃったら、是非CHATPER2のサイトでチェックしてみてください。
ちなみに、CHAPTER2は通販もやっていますが、専門店でも取り扱っているので、実車を見てから購入ということも可能です。
マイナーブランドなので取り扱っている専門店は限られますが、どこのお店で扱ってるかはCHAPTER2のサイトでも確認できますので、是非一度チェックしてみてください。
加えて、小田原に「サイクリングジプシーカフェ」という旧CHAPTER2 JAPANの本社のカフェがありますが、そこではCHAPTER2の各種バイクの試乗なんかも出来ます。もし近隣にお住まいの方がいらっしゃれば、こちらもぜひ一度伺ってみてはいかがでしょうか。