CHAPTER2 TOAに乗ってみて
CHAPTER2 TOAが昨年納車されて約2ヶ月が経とうとしています。
セカンドバイクのUltimateに乗ることもありますが、TOAの納車から500km以上走り込んでみたので、ここでこれまでを振り返ってTOAのインプレッションを書いてみたいと思います。
CANYON Ultimate CF SLXと比べてTOAがどうなのかといった視点でも述べていけたらと思います。
なお、素人の拙い所感を書いたに過ぎないので、表現がチープだったり稚拙な内容であることはご容赦ください。
TOAが目指した方向性
私がロードバイクに乗り始めた4年ほど前は、ロードバイクというとどのメーカーもだいたい4つくらいのカテゴリーに分類され販売されていました。
オールラウンドロード
エンデュランスロード
エアロロード
グラベルロード
語弊を恐れずそれぞれのバイク特性を一言で言えば、平地もヒルクライムもシーンを問わず万能にこなす軽量バイクならオールラウンドロード、衝撃吸収性の強化やアップライズなジオメトリーで長距離ライドに特化させるならエンデュランスロード、空力が高いデザインで平地を高速巡航するならエアロロード、未舗装路など幅広い道を走るならグラベルロードといった具合です。
キャニオンのラインナップの場合だと、この4つのカテゴリーで整理すると次のような感じになります。
オールラウンドロード:Ultimate
エンデュランスロード:Endurace
エアロロード:Aeroad・Speedmax
グラベルロード:Grail
2022年現在では世界的な自転車需要の急増によってそのニーズも多様化してることから、この4つ以外にも様々なジャンルやモデルが販売されてます。
では、今回のメインテーマであるCHAPTER2の場合だとどうかというと…この4つにうまくカテゴライズできませんでした(苦笑)。
2022年現在のCHAPTER2のラインナップを簡単に紹介しますと
TERE
CHAPTER2の第一作目でいわゆるオールラウンドロード。平均的な重量でエアロ性能もそれなりにあり、登坂性能も高い。シーンを選ばずバランスよく走れます。実は私最初はTEREにしようかと考えてました。RERE
第二作目にしていわゆるエアロロード。エアロ特性を強化して高速巡航も楽にできます。HURU
第三作目のこれがカテゴライズに困ったもので、ヒルクライムとダウンヒルに特化したモデル。東レのT1000カーボンをふんだんに使用して高剛性化して重量はフォーク込みでわずか1.1kg(Ultimateと互角!)と超軽量なバイク。AO
第四作目にしてグラベルロード。高い基本的な走行性能を備えながらも、ワイドタイヤクリアランスで太いタイヤも履ければ、多数のダボ穴でバイクパッキングも容易な多用途に使える1台。
となります。そして、昨年夏に第五作目となるTOAが登場したわけですが、これまたカテゴライズに困るというか…言わば新ジャンルなんだろうなと感じます。
強いて言うならば、TERE・RERE・AOのいいとこ取りして高次元でバランスさせた、「速くて、登れる、長距離走っても疲れにくいバイク」であり、いろんな走り方を高次元で楽しめる新ジャンルと言っても差し支えない印象でした。
CHAPTER2 Japan代表のマイキーさんがYouTubeでTOAを”Long Ride Killer”と表現しましたが、まさにそれが言い得て妙でした。
しばらく乗ってみた私なりの言葉で、TOAの特徴を綴っていこうと思います。
高いエアロ性能で巡航性は◎
TEREやREREにも採用されている「カムテール構造」をTOAにも採用。それだけではなく、MANAハンドルバーを組み合わせたらケーブル類は完全にハンドルとフレーム内に格納されるので、とにかく紐の類が見えません。
実際にTOAに乗ってみて感じますが、速度が乗れば同じ速度を維持するのもTOAの方がとても楽です。ここは空力の高さのおかげでしょうか。
実際に同じコースを同じくらいのペースで走った場合で、UltimateよりTOAの方がタイムが早くなり、平均時速も上がりました。
後述する出だしの軽快感はUltimateの方に軍配が上がりますが、スピードが乗った後の巡行性はTOAに軍配が上がります。
TOAをエアロロードとして乗ることも十分な性能です。
BB周りの剛性の高さで想像以上の登坂性能
愛車紹介でも書きましたが、TOAのフレームセットの重量は1.5kgくらい。
Ultimateの1.1kgと比べて400gほど重くなってます。
たかだか400gと思うかもしれませんが、ヒルクライムになるとこの差が結構出てきます。
重力に逆らって登って行くわけですから、登る物自体は軽いに越したことはありませんよね。
登りはあんまり強くないんだろうなぁという先入観でヒルクライムをしてみたら、その認識を改められることになりました。
お世辞抜きにTOAは登りにも強いです。
確かに重い分、漕ぎ出しの軽快感はUltimateに分がありますが、BBの剛性が高いのでペダリングロスなくガシガシ漕げます。
何より一番驚いたのはダンシング。
Ultimateでは、ダンシング時ペダルが6時の方向に降りきった時にちょっとしたブレというか不安定感を少しだけ感じるのですが、TOAではこの感じが全くなく全身の体重を脚にかけてもビクともしません。
なのでダンシングがめちゃくちゃしやすい。
ちょっとした激坂ならばダンシングで乗り切れちゃいます。
TOAに採用されているBBはT47というネジ切りタイプです。Ultimateで採用されているBB86のように圧着させる物ではないので、BBのネジ切り部分にアルミを入れているそうです。
フレームの重量増の要因の一つはここにあるようですが、その分剛性が高くなるので、安定したペダリングにつながるのかと思います。
悪路でも体への負担が少ない衝撃吸収性
グラベルというほどではないですが、交通量が少なかったり整備が行き届いていない峠道や林道では、舗装されていても轍やひび割れだらけでかなりのガタガタな荒れた道も当たり前なので、実は衝撃吸収性って普通に平坦を走るよりヒルクライムには重要な要素だったりします。
TOAでヒルクライムして驚いたもう一つの大きなポイントは、路面の凸凹の衝撃をだいぶフレームが吸収してくれる点です。
T800カーボンを使用してるからなのか、はたまたドロップシートステーの効果なのか、乗り比べてみたら身体への衝撃度が明らかに違いました。
Ultimateの時はガタガタ道をダウンヒルする時には、降りた頃には手もお尻も痛くて休みたくなるほどでしたが、TOAだと痛くならずに済みます。
私の場合、週末に100km前後の距離を峠をハシゴしながらヒルクライムするのがルーティンなのですが、ライド後の疲労感がUltimateと比べて本当に違い体に優しいです。
確かにロングライドに向いたバイクだなぁと実感しました。
今は持っているタイヤの関係で25cのタイヤを履いていますが、28cにして空気圧を少し下げダウンヒル時の走行安定性とグリップ性の向上そして更なる衝撃吸収性の向上をしたら良さそうなので、今後のカスタムメニューにしようかと思います。
多様な楽しみ方が出来る可能性を秘めた万能バイク
TOA自身は最大32cのワイドタイヤまで履けちゃいます。
とにかくフォークのタイヤクリアランスが広いです。
そしてこれが何を意味するかと言えば、TOAはカスタムの方向性でどのような用途にも使える極めて高い自由度があるとも言えます。
こういうのを妄想するのはとっても楽しいのですが、例えば…
エンデューロマシン
28cくらいのタイヤを履きつつ軽量化カスタムを行い、長距離からアップダウンの激しいヒルクライムまでこなせるブルベやグランフォンドなどのロングライド向けマシンに
(私自身のTOAの方向性はまさにこれです)ピュアエアロロード
高い空力特性を活かし、ディープリムホイールを履いて平地を高速巡航するTT向けマシンにグラベルレースマシン
高い衝撃吸収性とワイドタイヤクリアランスを活かして、30cや32cのタイヤを履いてオフロードを走ったりグラベルレースに参加できるマシンに
(ダボ穴がたくさんあればバイクパッキングしてソロキャンプにも行けそうなスペックですが、そこはAOに譲るとして…)
と、乗り手の思いでどんな用途にでも使えるというのが、実はTOAの最大の魅力なのかもしれません。
気になるお値段
そんなTOAですが、お高いんでしょう?というわけで、お値段情報です。
執筆時点でのTOAの価格は次のとおりです。
TOA限定カラー(Tongariro/Moana)
¥342,200+税TOA標準カラー(Gloss Black)
¥326,300+税Manaハンドルバー
¥71,700+税
若干ながら限定色の方がお値段上がりますが、限定色は世界で200台程度しか製造されないそうで、売り切れになるともう2度と手に入らないのでそのプレミア価格だと思っていただければ。
ハンドルとフレームセットで42万円+税くらいの値段です。
※CHAPTER2では時おりキャンペーンを行っており、期間中はフレームセットとハンドル一緒に注文してくれれば、ハンドル代は実質タダなんてセールも過去やってました。今後も同様のチャンスがあるかも?
参考までに、あのコスパに定評のCANYONですと、現在UltimateでフレームセットがラインナップされているのはUltimate CFR(SLXよりも上位グレードの最軽量フレーム)になりますが、
Ultimate CFR Disk Frameset
¥459,000
※ハンドル付き
です。ハンドル付けた状態で、あのキャニオンとほぼ同レベルのお値段、もしキャンペーン時だったらむしろCHAPTER2の方がお値打ちだったりもします。
そう考えると、キャニオンと同じくらいCHAPTER2もコスパはいいかもしれません。
(CHAPTER2は完成車を出してないので、組み上げた費用の総額で見たらまた事情は異なるかもですが…いずれにしてもフレーム単体で見た時のお値段はとても良心的です)
と、ダラダラとたくさん能書きをしてきましたが、つまるところTOAは本当に素晴らしいバイクで、万能で乗り手の思い一つで何でも自由自在にこなせます。
しかも、何でも出来ることに良くありがちな、「何をやるのも中途半端」感は一切なく、高いレベルで様々な役割を果たしてくれるのもTOAの魅力です。
あの時は勢いで注文してしまいましたが、今は本当に買ってよかったと思っています。
みなさんもぜひ機会があれば、CHAPTER2 TOAご検討してみてください。