クリップスタジオペイントーデッサン人形をテンプレートにしたアニメーション
過去、クリップスタジオペイント(以下クリスタ)のデッサン人形をアニメーションの動作確認やテンプレート用に多くのサンプルを作ってきました。
サイトに掲載しているサンプルは、今までに数千名の方にダウンロードしてもらっています。
ですが、実は今まで自分自身で”真面目に”使ったことがありません。(前々回の記事、縄跳びする女の子でふざけ半分には使ってみましたが・・・)
大丈夫なのか? 本当に使えるのか?
・・・ちょっと心配になりました。
そんなわけで、今回は自分で作ったサンプルをちょっと”マジ”に使ってみました。
イメージ
アニメーションは、仮にMV(Music Video)に活用するものと想定しました。
画面の上下左右、いずれかの空きスペースに歌詞が書かれ、中央のキャラが走っている、そんなイメージです。
キャラは常に中央に配置され、風景が左から右に流れる「フォロー」というスタイルです。
子供のデッサン人形
キャラは3~5才くらいの女の子にしました。クリスタのアセットから子供の体型のモデルを入手し、多少のサイズ調整を施しポーズをつけました。
走るアニメーションは、ワンループ分が6セルで、2コマ撮りが一般的です。ちなみにフレームレートは24fpsです。
セル1~3が基本の3ポーズで、セル4~6はセル1~3の左右反転になります。つまり、この3ポーズがあれば走るアニメーションができあがります。
デッサン人形のアニメーション
デッサン人形を実際に動かして動作確認します。
側面はOKですね。
ちなみにデッサン人形を囲んでいる枠は、カメラのプリセットアングルを変更する際に使う自作オブジェクトです。詳細は省略しますが、プリセットアングルごとにカメラ位置を固定するために使います。
正面には少なからず調整を入れました。側面から見てOKでも、正面にしたときに手足の角度や位置が不自然な場合が少なくありません。子供らしい動きに見えるよう調整を施しました。
斜めや、ふかんも確認しました。
作画
デッサン人形のポージングができたところで、作画がスムーズに行えるかどうかのチェックをしました。
最初は線画です。デッサン人形の透明度を上げ、デッサン人形の外形を参照しながら線を引いていきました。
他のセルで流用しやすいよう、線画はベクトル線で描画しました。線の太さが後で変更できるのもベクトル線ならではのよさです。
ここはもうひたすら描くだけです。
下塗りと影をつけました。デッサン人形は簡単に複製したり左右反転できますが、描画の方は6枚分描かなくてはなりません。もちろん表情などはそのまま使い回しますが、作業としては重たい・・・。
走る女の子のアニメーション
では、実際に作画したセルを動かしてみます。
髪やリボンの動きに課題があります。スカートのたわみに応じた影も必要ですね。描き終えてから色々問題点が見えてくるものです。「走り」に関してはおおむねOKと感じました。デッサン人形強し!です。
まとめ
デッサン人形がきちんと形を示してくれるので、人体部分のアニメーションに大きな問題はなさそうです。すでにテンプレートがある分、作画は楽でした。
デッサン人形ではカバーできない部分、髪やリボン、スカートの揺れなどに不自然さが残りました。今後の課題ですね。
何はともあれ、自分で作ったデッサン人形を初めて”真面目に”使ってみてちょっと感動しました。ちゃんと使えたあ~(ホッ!)