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クリスタで使えるアニメ作画用3D人物モデルの制作(最終回)
一枚絵のループアニメーションについてプチ研究しています。
アニメーションの中でも、特に人物の動作は高い画力が問われる難しい表現のひとつだと思います。そんな人物アニメーションですが、簡単なテンプレートがあることで作画効率がグッとアップします。
そこで、クリップスタジオペイント(以下クリスタ)で使えるアニメーションテンプレート用3Dモデル素体を作ってみることにしました。
モデル制作記事の6回目、最終回です。
一週間が早すぎる
3Dモデリングとは「時間くい虫」ですね。この数日起きている時間の半分くらいはモデリングに費やされたような感じです。(実際は3~4時間/日)
結果からお伝えすると、モデルをクリスタに読み込み、女性の歩きポーズをつけるところまで進められました。(セル8枚によるフレームバイフレーム(パタパタ)アニメです)
このポーズを選んだ理由は、手足の動きが小振りだからです。モデルの完成度が低いため、手足を大きく動かすと関節部分に歪みが生じてしまうのです。
制限された使用範囲であれば、アニメの作画用としては十分使えそうです。もちろんアセット(クリスタの素材市場)に掲載する限りは、ユーザーに「これは使える!」と感じていただなくてはなりませんが。
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メタセコイアの試用期限はあと2日
メタセコイアの機能がフルで使える試用期間は残り2日でした。
前回の記事からこの記事までの間、いくつかの面白い問題が出現しました。そのほとんどはモデリング(造形)そのものとは直接関係ないものです。
モデラーに読み込んだら、股下から三角錐が突き出した
本当、わけのわからない現象です。モデラーに読み込んだ段階で、股下から棘のようなものが突き出てきたのです。
実は、メタセコでモデリングしているときに、股下の2面だけ色がおかしいことに気づいていました。その段階では原因が全くわかりませんでした。
しかし、データを改めてチェックしてみたところ、その2面だけ、面が二重に張られていたことがわかりました。重なっている面を削除して問題解決です。
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モデラーでボーンを埋め込んだモデルが変形
モデラー側でボーンを埋め込んだところ、ボディが変形し、腕や手首、指の角度が折れ曲がったようになりました。
この原因は直感的にわかりました。
メタセコで設定したMMDボーンはAポーズで、モデラーは基本的にTポーズで設定します。モデラーでボーンを設定する際、アンカー(ボーンの影響範囲を示す枠)がボディに食い込んだのでしょう。
メタセコ側で、ポーズをTポーズに変えることで解決しました。
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まとめ
複数のソフトを連携させ、複数回のデータ変換を経て最終的なモデルが出来上がるのですが、綱渡り的な作業だけに他にも数多くの不具合や予期せぬ現象に悩まされました。特にメタセコのボーンに関わるバグには参りました。
そうした現象や問題については、マニュアルや教科書はもちろん、ネットでさえその解決案が見つけられることはまれです。その多くはトライアンドエラーを繰り返すことで解決していきました。
この後、本プロジェクトはアニメーションテンプレートの制作に進みます。
目立った進展があれば、できるだけ簡単にその内容を本noteでご紹介させていただきたいと思います。