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011 「しまをまとう 石垣昭子が紡ぐ黒のスディナ」の刊行について

すっかりお知らせするのを失念していたのですが…
昨年度の〈やんばるアートフェスティバル〉にて展示をした西表在住の染織家石垣昭子さんの活動及びその際に開催したトークショーの内容(〈しまをまとう〉石垣昭子×仲程長治×金島隆弘)及び今回の企画の意義についての対談(〈新・琉球の富〉金島隆弘×畑中英二)のアーカイヴを京都市立芸術大学美術学部畑中研究室調査研究報告のシリーズ12として刊行しました。
西表島を起点に多くの方々と関わりながら活動を展開される昭子さんが近年手がけているのが「節祭」の神であるフダチミの打ち掛けの黒衣装の復元プロジェクト。かつて用いられていた天然素材のものに復するプロジェクト、といえばありがちなもののように聞こえるのですが、さにあらず。海辺で繰り広げられる祭礼においては、現在入手できるものでは明らかに馴染まず、祭礼時の環境や身体運動に馴染むものは復元せざるを得ないことを理路整然とした言葉で語られると、その意義深さに納得するしかありません。
そこで今回は、苧麻を緯糸にし、島藍と紅露によって染めたスディナを制作し、その経年変化を観察しながら、将来的に制作するフダチミの打ち掛けの黒衣装の復元に向かっていくというプロセスを追ったものです。
ここで用いている写真の多くは写真家であり〈やんばるアートフェスティバル〉総合ディレクターでもある仲程長治さんの手によるもので、昭子さんの作り出す作品や西表島の豊かな色が表現されています。
これからも続いていく昭子さんのチャレンジをご覧いただけたら幸いです。

なお、本プロジェクトのメンバーは仲程長治、金島隆弘、松島由布子、畑中英二、倉澤佑佳、北脇あず美です。これからも、さまざまなご縁を得ながら引き続き活動していきたいと考えています。


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