見出し画像

GOTS取引確認書(TC)の取扱にみんなが慣れていない状況でのトラブル2024年7月段階


オーガニック認証の誤通に関する実体験とその対策

最近、ある商社(B社)からオーガニック認証製品を購入しようとオーダーを出しましたが、予期せぬ問題が発生しました。その商社側からオーガニック認証の取引確認書(TC)を発行してもらい、それを基に商品を作る必要があったのですが、TCの発行ができないと言われました。

実体験から学ぶ過誤の原因

B商社に問い合わせたところ、「TCは発行できません」という返答がありました。しかし、そのB商社はオーガニック認証を取得しているはずなのです。担当者が慣れてないからわかってないのかなと思い、「発行できるはずですよ。」と連絡を取ったのですが、発行できないとの一点張りでした。何でなんだろうと詳細を調査した結果、以下のことが判明しました。

B商社が糸を仕入れる際に、仕入れ段階でTCが発行されていなかったのです。具体的には、糸工場(A社)が綿をO社から購入する際にTCを発行してもらっていたものの、B商社がその糸をA社から購入する際にTCを発行しなかったため、TCがつながっていなかったのです。(つまり証拠がない状況)
このため、オーガニック認証製品として認証を受けることができませんでした。

過誤の影響とその対策

このような問題が発生すると、オーガニック認証製品を作ることができず、B商社もその糸をオーガニックとして販売することができません。日本ではまだオーガニック認証に対する理解が十分でないため、このような過誤が発生することがあります。しかし、今後はオーガニック認証商品を正確に取り扱う企業が増えてくれば、このようなミスも減少するでしょう。

今回の最大の問題点

GOTS認証の糸である証明書が発行できないのに、GOTSの糸として販売していた。
今回は【証明書の発行ができるか?】を念のために聞いてから出荷しようとしていたため、問題が発覚したのですが。購入後編んでいる段階でこの問題が発生してしまうと私たちとしては、支払をしてGOTS認証の糸を買ったはずが、【GOTS認証の製品が作れない】ことになります。
これはGOTS製品のTシャツを作って販売したい私たちには大変な問題です。
GOTSの綿であり、糸であったことはおそらく嘘ではないと思います。ただ証拠が出せない状況なため、製品にもGOTSタグを付ける事ができません。
いままでの、日本国内の状況であればこれで通じていたと思います。しかし商習慣が違う世界に向けて製品を出す際には、
【オーガニック認証の証拠がだせない】
では通じないのが現実です。わたしもGOTS製品を作り出してからこのシビアなルールになれてきましたが、日本国内独自ルールがまだまだ通るため証拠の必要性がまだ大切にされてないのが現状だと思います。

専門知識の共有と未来の展望

TCは必ず連続して発行し続ける必要があります。発行の遅れや中断があると、180日経過後に発行することが困難になるリスクがあります。ですから、TCのつながりを確保し、確実に発行してもらうよう注意してください。

オーガニック認証に関する知識と理解を深め、正確な取り扱いを徹底することが、こうした問題を防ぐ鍵となります。これからの日本では、オーガニック認証製品に対する意識が高まり、ミスのない取引が増えていくことを期待しています。

まとめ

今回の事例を通じて、オーガニック認証の重要性とその正確な取り扱いについて考えさせられました。オーガニック認証に関わる皆様が、TCという取引確認書の連続性を保ち、認証商品の正確な取り扱いを徹底することで、より信頼性の高いオーガニック市場を築いていけることを願っています。

概略

今回の問題の俯瞰図

0社:A社にGOTS認証の糸を卸している会社
A社:糸商でGOTS認証の糸を売っている会社
B社:GOTS認証の糸をA社から買って日本国内に販売
三恵:B社からGOTS認証の糸を購入してGOTS製品を作る

我々三恵メリヤスが、A社から糸を購入したB社から、糸を購入しようとした際に、GOTSの認証が0社、A社の間で取引確認書(TC)は発行したが、
A社からB社が購入した際に取引確認書(TC)を発行しておらず、
B社から三恵に販売をした際に取引確認書(TC)が発行できない問題が起きた。

TC発行料が現在35ユーロ、製品の場合のTC発行料が50ユーロと小さい取引ではなかなか高いのも取得しないようにするインセンティブが働いてしまう原因の一つか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?