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#32 コロナ入院基準改正 どう対応する?

・第一波では多くの軽症者が入院
・空床確保料があるから病床を空けていいとはならない

音声解説はこちら

入院患者のうち6割が軽症者

第一波では、コロナ軽症者が入院するケースがありました。実際、NCGMのデータ(2020.2〜6末)によると、入院中の最悪の状態でも酸素不要という軽症者が6割(61.8%)。本来は自宅やホテルで療養できる方が入院していたということになります。

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COVID-19 レジストリ研究に関する中間報告について
https://bit.ly/36q2ilI

これは、感染症法において「無症状や軽症の方」でも入院させることができると規定されていたためです。もちろん、医師の判断で宿泊療養させるケースもありました。

【現行】
・都道府県等は、新型コロナウイルス感染症のまん延を防止するため必要があるときは、患者等を入院させることができる(感染症法第19条・20条)。
・現状、新型コロナウイルス感染症の無症状や軽症の方で、重症化リスクのある者に当たらず、入院の必要がないと医師が判断した場合には、宿泊療養又は自宅療養を行うことができる。(4月2日事務連絡)

これが、10月中に厚生労働省の政省令が改正され、入院患者の対象が高齢者や持病のある方に重点化する方向になっています。

【見直しの方向性】
・感染症法に基づく入院措置の対象について、高齢者や基礎疾患を有する等の重症化リスクのある者や現に重症である者等の医学的に入院治療が必要な者とするなど、規定の見直しをしてはどうか。

【現行】と【見直しの方向性】の掲載文書
2020.9.25 新型コロナウイルス感染症の感染症法の運用の見直しについて
https://bit.ly/33e5sad

高齢者は重症化しやすい

確かに年代別で分析すると60歳以上の高齢者は酸素や挿管が必要となる割合が高くなります。高齢者は入院時は軽症でも入院中に悪化する可能性があります。

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空床確保分は補填されるが・・

コロナ患者を積極的に受け入れる重点医療機関では、コロナ患者受け入れのために余裕を持って病床を確保しています。本来は非コロナ患者を受け入れられるところ、空床にあえてしています。空床分は第二次補正予算で空床確保料として補填されることになりますが、すぐに入金があるわけでありません。

空床分に対応する看護師等の人件費は先に支出されていますが、空床確保料は診療報酬のように2ヶ月後に定期的に入金されるわけではありません。この支出と収入の期間的なズレが経営を圧迫するわけです。

コロナが落ち着いている時期ではできるだけ空床を少なめに。コロナの患者が増えてくれば空床を増やす。といった柔軟な対応が経営的には重要ではないでしょうか?

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