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完全テレワーク会計事務所の取り組み(前編)

私が代表を務める東日本税理士法人。テレワークを始めたのが2020年4月。あれから2年半以上完全テレワーク体制を続けている。常勤職員が20名であるが、平均出社人数は3人〜4人。

デジタル化により在宅勤務体制を実現できたといっても過言ではない。主なデジタル化の取り組みについて紹介していきたい。

1 Chatwork(チャット連絡)

チャットワーク導入前は職員間の連絡は(グループウェアの)サイボウズの掲示板機能を使っていた。サイボウズは各スレッドごとに職員が書き込みでき、メールよりは使いやすい。しかし、サイボウズは基本的にパソコンからの利用を前提としており、外出先や移動中に確認することが難しい(今はスマホからでもアクセスできるようだ)。

この点、チャットワークはスマートフォンからいつでもどこでもアクセスできる。また、サイボウズは社内での連絡のみであったが、チャットワークは社外ともチャットをすることができる。クライアントはもちろんのこと、顧問の弁護士、税理士の先生方ともチャットでやり取りをしている。

まるでLINEのようにお互い連絡ができ、意思決定のスピードが格段に早くなった。お客様から問い合わせがある時にもすぐに返信ができるので、概ね好評価をいただいているようである。

最近はコミュニケーション不足解消のために、雑談スレッドを設けている。

Chatworkの雑談スレッド

2 oVice(メタバースオフィス)

コロナ禍で在宅勤務を始めたものの、開始早々出てきたのがコミュニケーション不足問題。チャット上のやり取りだけでは限界がある。時々事務所に出勤して対面で話すにしても、平均出社率が20%ではすべての職員と話せるわけではない。

そこで、導入したのがインターネット上のバーチャルオフィス。いわゆるメタバースである。

oViceで全体会議をしている模様

当初勤務時間は全職員がoViceのメタバース空間に滞在することも考えたが、常に画面にいる職員は事務職員2名のみとした。在宅勤務なのに時間に縛られ管理されているようにしないためである。

どのシステムを導入する時もそうだが、強制ではうまくいかないと考えている。便利さを感じれば自然に使う人数が増えていく。気づけば職員の大半が使うようになる。

oViceは月1回の全体会議の他、個別の業務相談はZoomではなくoViceを使っている。Zoomと違うのは音声が電話に近いのと(同時発声で音が消えない)、顔出しをしなくても不自然ではなくストレスがかからないためである。

3 LINE公式アカウント

クライアントへの情報提供としてかつてはメルマガを送信していた。メルマガは全盛期で1,000通送っていた時期もあり、好評であったが、時代の変化とともにLINE公式アカウントに変更した。

メルマガは迷惑メールに分類されたり、開封率が必ずしも高くないことが理由である。LINE公式アカウントであれば、かならず個々のLINEに届くし、開封率も高い。

新規セミナーの情報や耳寄りなニュースを提供している。

LINE公式アカウントの情報発信例


4 Zoom

Zoomはコロナ禍でメジャーになり、説明は不要かもしれない。職員同士での会議でZoomは使うことがなく、oViceにしている。Zoomはクライアントとの会議で主に使っている。

以上、テレワークを行う上で弊事務所では欠かせなくなった4つのサービスを紹介させていただいた。どのサービスもそうだが、全職員が使ってくれるまでは時間がかかる。まずは協力してくれそうな職員から限定的に始め、徐々に他職員に評判が口コミで伝わっていく。そんな感じでデジタル化を進めてきた。

導入したが、実はその後使わずに解約に至ったサービスがいくつかある。慎重に検討して導入するのではなくとりあえず試してみてダメであれば解約すればいいと考えている。

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