医療経営士予想問題集作成の裏側
同じような問題に見えるけど
4月10日に2024年度医療経営士3級予想問題集を発刊しました!
年に1回この問題集を更新していますが、作成の舞台裏は大変だったりします。170問と問題数は2023年度版と変わりませんが、実は問題の差し替えや訂正を結構しています。
例えば、医療経営士3級のこちらの問題。人口動態統計速報は毎年更新されるので、それに合わせて問題を変更しています。
テキストにもこのような統計が載っていますが、5年前の統計だったりします。しかもそれに基づいて解答すると誤りということもあり得ます。
診療報酬改定の年は大変
予想問題集の作成に着手してから発刊まで1ヶ月ほどかけています。2024年度のように診療報酬改定がある年は例年よりも時間がかかります。2022年度改定を前提とした問題は基本的に差し替えます。
医療経営士3級は2級と異なり細かな診療報酬改定の内容は問われないので、問題のチョイスも大事なところです。
例えば、こちらの2級の問題。ここまで細かい診療報酬の施設基準はおそらく3級では出題されません。3級では診療報酬改定の概要であるとか、入院基本料でも主な施設基準だけとか出題箇所が限定されていきます。
問題作成者は一人でない
予想問題集の著者は私一人にしていますが、実はいくつかの新作問題は医療経営士に合格された方(主に1級合格者)に作成依頼しています。
私だけが問題作成すると選択肢にクセが出てしまったり、出題問題に好き嫌いが出てしまうおそれがあるからです。
例えばこちらが作成依頼して作っていただいた問題。現役事務長だけあって、実務で重要になるようなポイントを押さえられています。
誤字脱字を生成AIがチェック
問題作成は依頼しているものの、他の問題と同じような様式に合わせるよう私の方で編集しています。ページ数が3級では343ページにも渡るので編集で苦労するのは細かな誤字脱字。
かつては全て人力でチェックしていましたが、それでも漏れが出ることがあり、読者の方からありがたいご指摘をいただくことがありました。
ただ、2024年度版から生成AIである「Claude」というサービスを使って下記のようにチェックしてもらっています。
「ChatGPT」の方が生成AIではメジャーですが、「Claude」の方がしっかりと誤字脱字を指摘してくれます。あと「ChatGPT」は文字数制限が厳しいので、医療経営士予想問題集のように大量の文字数になると分けて質問するのも現実的ではありません。
「Claude」では、PDFを読み込ませて「この文書の誤字脱字を指摘してもらえますでしょうか?」と質問するだけですぐに答えてくれます。さすがに343ページを一気に読み込ませるとエラーが出るので、iLovePDFという無料ソフトを使って50ページずつに分割しました。
最後に新作問題のタイトルを紹介
こんな感じで医療経営士予想問題集の作成の裏側を書かせていただきました。最後に医療経営士3級予想問題集(2024年度版)の新作をタイトルのみ紹介いたします。
・時間外労働の上限規制
・医療機関に義務付けられる様々な報告
・入院基本料の通則(上記参照)
・病床利用率と病床稼働率(計算問題)
・1日平均患者数と平均在院日数(計算問題)
・サイバーセキュリティにかかる用語
・医療者と患者の関係性
・医療DX
・ACPなど略語
・地域包括医療病棟入院料の施設基準
・診療報酬の分類
・協定締結医療機関
・紹介重点医療機関
・技能実習制度