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pothos 楽曲解説 #1 本当の静寂
すごい抽象的な曲、たまに1番好きっていってくれる方がいて嬉しいです。アルバムのプロローグ的な存在かもしれないけど、色や匂いなどイメージを形作る大切な曲だと思います。ライブではよく1番最初に演奏してて、お客さんだけじゃなくて僕達にとってもその空間を自分達のものにする儀式みたいな存在になりつつあります。
この曲は確か2023夏、3人でスタジオに入る前に1人で個人練をしていた時にふと弾いたフレーズに続きを作っていった結果原型ができた曲です。最初は前半と後半で違う曲にするつもりだった時もあるし、あけぼのまで合わせて一曲にしようと思った時もありました。
前半のアンビはSigur rosやmumばっか聞いてた時期だったのでKensei Ogataさんの家にある大量の機材を色々試して、それっぽくしていった感じです。
https://open.spotify.com/track/6lnwNpbXFECXk1GGrcy4OG?si=WbA5MxowQai1vrYV6Fntyg
前半はコーラスワークがかなり気に入ってて、それぞれの小節の縦軸はギターを含めて一つのコードになりつつも横軸は一つのメロディになるように組み合わせました。これは全ての曲に共通してこだわっている部分で、いわゆる雪国のサウンドのイメージを作る根幹部分だと思います。ギターのボイシングやアルペジオの作り方も同じで、これはまた出てきた時に詳しく書きます。
後半はゴリゴリのギターの音とクリシェでこちら側に引き戻します、ロシアンマフを使った記憶があります。ギターは6弦ルートと5弦ルートでオク上で重ねてます。この部分のメロディもマジで気に入ってて、キモチエーと思いながら歌ってます。「そ”ら”の青は描けない」のB♭がミクソリディアンだからどうのみたいな話をされた事があります
最後のガチャン!は深夜の公衆電話で録音しました。捕まらなくて良かったです
「そして、視界は揺らいだ
紡いだ歌は意味をなくした
時の儚さえも遠い過去へ
ねぇ、目を覚まして、その光が不確かな夢と気づいて。絵の具の青に空の青は描けない飛び出した欲望、この星の運命は身をもってのみわかると」
全てに意味はないと悟り、時の儚ささえも遠い過去へ逃げる誰か、もう誰も使わない公衆電話でうずくまるあなた、絵の具の青に空の青は描けないと考える誰か、の電話を切るあなた。
次は、#2「あけぼの」です。