Wing Surfingで走り出すために
Wingでスタートするにはどうしたらいいのかについて説明。
ちなみにWing Surfingという呼び名は、最近f-oneがそう言うようになったので合わせてみた。
Wingのボードには、ボードから垂直についたマストの先にフォイル(水中翼)がついている。マストは70センチを使う人が多いけれど、最初は60センチくらいから始めるのがやりやすい。ぼくは85センチが好き。福岡の海は海面が荒れることが多いので、85センチ位あると荒れた海面を難なく乗りこなせる。
マストがある程度の長さがあるので、走り出すためにはボードとWingを持って、マストが海底にあたらないところまで出ていく。マストが当たらなければ、ボードに乗って膝立ちになり、Wingで風を受けてボードを少し走らせる。走り始めるとボードが安定するので、立ち上がりWingをパンピング(全身でWingを引き込み、伸ばしを繰り返す動作)してボードを加速させる。
ちなみに翼が生み出す揚力というものは、速度の2乗に比例するので、フォイルがある程度の速度になると揚力がグンとあがる。グラフ化するとこんな感じ。(横軸が速度で、縦軸が揚力だと見てほしい。数値は、単純に横軸の2乗に比例するように引いただけ。)
つまり速度が一定以上にならないと、たいして揚力が生まれない。なのである程度まで速度が出るように、風を選び、パンピングも頑張ると簡単にリフトしはじめる。手に持っているWingも揚力を掴むものなので、風速にあった適切なWingを選ぶ。もちろんある程度風が吹いていれば、パンピングしなくても勝手にリフトする。フォイルの揚力は、自分が動く速度なので、自分である程度調整できるけど、Wingの揚力は風速が元になるので、状況を見極め適切なサイズを選ばなければならない。各メーカーが風域を公開しているので、これを参考にする。(ちなみにフランスのメーカーf-one社の新しいwing「Strike」の風域表は以下)
走り出しは、若干風下に下っても速度を出す。速度が出ればすぐにリフトできる。リストすると水の提供が無くなり、速度はさらに出しやすくなり、今度は自分が走る速度もあって風はさらに強くなり安定する。なので、腰を使ってボードを風上側に向けると風上に上りながら走ることができる。
基本は以上。これだけで、海の上を疾走できる。走り出せば、ボードは水に接触していないので音も消え、浮上したまま走り続ける。その上風上にも走れるので、行きたい場所にいける。
風が弱くなったら推進力がなくなるけれど、ボードにまたがっていられるので、風待ちすることもできるし、最悪パドリングして浜に戻ることもできる。
突風が吹いて空に吹き飛ばされることもないし、Wingもボードもリーシュコードがついているので、離れてしまうこともない。
とは言え、海の上なので、最初はショップの人に必ず教えてもらうべき。とても楽しいので、絶対おすすめ。カイトは根性いるから、なかなか人におすすめしたことは無いけど、これはおすすめ。
特に福岡在住の人は、絶対やるべき。福岡の海は、めちゃくちゃWing向きなので。