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small board(sinker board)に乗るコツ
ぼくは体重が69キロなんだけど、使っているボードは44リットル。当然ながら体重を支えるだけの浮力はなく、ボードにまたがるだけで沈んでしまう。沈んでしまうくらい小さいボードということで、sinker boardとも言われています。
こんな小さなボードに乗ってるのは、その方が扱いやすいし、意外かもしれないけど、微風でも走りやすい。なによりも、大きなボードでは味わえなかったような感覚があって、とても楽しいからです。
とはいえ小さなボードに乗れるようになるのは、かなりの苦行。ぼくもかなり苦労して乗れるようになったので、どうしたらよいのかのコツを、まとめてみました。
もちろん、いろんな乗り方はあるので、あくまでもぼくなりの方法だと思ってください。でも周りに小さなボードに乗っている人がいないと、参考にするものが全くなく、心が折れそうになると思います。ぼくも最初は本当に苦労しました。なので、参考になればと思って書きました。同じ苦労を、みんなでする必要ないですからね。
ボードにまたがる
ちいさなボードに乗るための第一関門は、ボードにまたがること。慣れないうちは、できるだけ波の無いところで練習するといいです。波あるとこけまくります。コツは、少しだけノーズが浮くようなポジションに座ること。ノーズが上がりすぎてこけそうになったら、片手でノーズを押さえます。気持ち体で押さえ込むようにすると、じんわり元に戻ります。ボードが小さくても、フォイルがついていることもあり、何事もじんわり動きます。なのでバランスを崩してもあせらず立て直しましょう。
wingのフロントハンドルを持って浮きがわりに使ってもバランスとれますが、頼りすぎるのも逆にやりずらくなるので、あくまでも補助的に。
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風を確認する
ボードにまたがれたら、wingを使って風をつかみ、ボードを走らせます。
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このとき、wingをパンピングしないでも走れたら、楽にスタートできます。この段階は、スタートできるかどうかを見極める段階なので、バンバン走らせる必要はないです。慣れてくると、両足にあたる水の感じで、スタートできるかどうかわかってきます。
ボードの向きをそろえる
次にやるのは、スタートする方向にボードを向けることです。これは波の状況によって多少変わってきます。波がほとんど無い場合、進みたい方向は、大抵の場合、風向きと垂直のアビーム方向になると思いますが、正確にはそれより若干風下側を向いているのが良いです。そして波があるときは、ボードを思いっきり風下側に向けます。つまり波を横から受けないポジションに置くのです。小さなボードは、横波で簡単にこけてしまいます。なので波が小さければ大丈夫ですが、ある程度大きかったら、後ろから受けるようにしないとスタートすらできません。なのでノーズを思いっきり風下側、といってもある程度進みたい方向にノーズを向けるのですが。こうするだけでスタートがかなり楽になります。
膝立ちになる
ここまでできたら、いよいよスタートです。ボードにまたがって、wingを両手でつかみ、スタートできそうな風が吹いていることを確認したら、フロント側のハンドルだけにぎったまま、テイル側のハンドルを離して、ボードに四つん這いになります。
(四つん這いになるのは、この時が一番不安定だからです。足は水から上げ、体は全部ボードの上にある。そして風を受けることもできていないので、ボードは動いていない。ボードが動き始めると、急に安定しますが、動いていないボードはとても不安定です。なので4点で体を支えることで、安定させます。)
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このときフロント側のハンドルを握っているので、体はwingの下に隠れてしまいます。そして、wingは風向きを意識して置くことも重要です。波が無ければボードは進行方向に向いていると思います。そうすると風はボードの横から吹いているので、wingも横向きに体をカバーした感じになります。波があるときは、ボードが風下を向いていると思うので、wingもお尻側をフロントになるように持ちます。
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そして四つん這いのままテイル側のハンドルを握ります。つまり両手でwingを持つのです。この時、風向きを意識したwingの位置を忘れずに。
ここからいよいよ膝立ちになるのですが、大切なのはwingのノーズ側から立ち上げていく感じで膝立ちになることです。つまりフロント側のハンドル、つまり風上側のハンドルを少し先に上げていく感じです。
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こうすると、一気に風が入るのではなく、スムーズに風が入ります。ここをしくじると、wingがあおられてこけてしまうことがあります。膝立ちになって、wingを水から離すことができれば、wingが風を受け始めます。
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この時、風がしっかり吹いていれば、ボードが走り始め、フォイルが揚力を得て、ボードが水中から出てきます。ボードが水中から出ないようだったら、おそらく風が足りないのでスタートできません。
波がある時に、ボードを風下に向けても、膝立ちになるとボードはアビーム方向を向きはじめますが、ボードが走り始めると安定するので、多少の横波には負けません。
小さいボードは走らせ続けること
ここが一番重要なところなのですが、小さいボードはフォイルの揚力がとても重要です。揚力は、速度の2乗に比例します。翼面積を2倍にしても揚力は2倍ですが、速度を2倍にしたら揚力は4倍になります。そもそも小さいボードは自重も軽く、接水面も小さいので、速度を得たらすぐにリフトしようとします。このあたりが、慣れてきたら微風でも普通に乗れる理由でもあります。走らせることができれば、確実にリフトするのです。
立ち上がりスタート
さて、ボードが走り始め、水中から出てきたら、立ち上がるタイミングです。
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このタイミングでは、まだ接水していると思いますが、ボードが水没していなければ大丈夫です。そのままwingで風を受けながら立ち上がります。つまりボードを走らせながら立ち上がるのです。この時風が弱ければ、wingをパンピングしながら立ち上がります。
リフトまで
ボードが走り、立ち上がることができたら、すぐにリフトすると思います。さきほど言ったように、小さいボードは接水面が小さく、自重も軽いので、すぐに離水してくれます。なので、あまり激しくボードをパンピングさせず、とにかくボードを走らせることを優先して、必要に応じて若干ボードをパンピングさせるようにします。揚力は速度の2乗に比例します。速度が出れば、確実にリフトするので、それを信じてとにかくボードを走らせてください。
大きなボードでボードをパンピングするのは、接水面が大きく表面張力が大きいからというのもあります。小さいボードは表面張力は小さいので、ボードを水から引き剥がす必要は無く、単純に自分の体重以上の揚力を引き出せばリフトします。ボードをパンピングするのは、ボードを引き剥がすよりも、フォイルを動かして加速を助ける時だけです。
そしてボードを走らせるには、ボードの向きが重要で、アビームよりも若干風下側に、ボードが最もよく走るゾーンがあります。ここにボードを向けてwingをパンピングすれば、簡単にリフトして走り始めます。この走らせることでリフトする。というのは、小さなフォイルをスタートさせる時の基本でもあります。なので900㎠とか800㎠、700㎠というような小さなボードに相性の良い小さく、スピードの出るフォイルに乗るためにも、走らせてリフトする練習をしておくと良いです。
アップウインド・タック、そしてジャンプ
小さなボードの利点は、小さいだけに風にあおられにくいことです。なので、風上に向かうようなテクニックが楽になります。つまりアップウインドも走りやすく、タックもスムーズに回ります。
そして軽いということもあり、ジャンプは高さが出やすいです。
回転性も高いので、波乗りも楽しくなると思います。
慣れるまで苦行ですが、ぜひ参考にして、small boardで味わえる異次元のfoil wing体験を楽しんでください。そして、同じsmall board、sinker board仲間が増えることを願ってます。