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ブロックチェーンとはなにか?

暗号技術の中に、改ざんを防止する技術がある。

単に改ざんさせないというだけなら、データの中身を暗号化してわからなくするというものもそうだとも言えるけど、データは見えるんだけど改ざんしたらわかるというものがある。

どのように実現するのかというと、データだけでなく、データをある方法で計算した計算結果(これをハッシュと呼ぶ)と両方渡すことで、受け取った側が検証できるようにする仕組みだ。

つまりデータが改ざんされていたらハッシュが違ってくるということを利用して、計算だけで改ざんされているかどうかを検知することができる。

これを応用して、データを少しずつ変更するようなことをしたい場合の、改ざん検知システムが作れる。

どういうことかというと、まず最初のデータからハッシュを作る。そして、そのデータを元に何か情報を追記したい場合、新しい情報とともに元々のハッシュも組み合わせてハッシュを作成する。これを延々と繰り返していけば、どんなにデータが加工されても、途中で改ざんされていないことがわかるようになる。

しかもこの仕組では、ハッシュだけで改ざんされていないかを確認できるので、手元にあるデータだけで確認していくことが可能だ。つまり全体を管理している管理機能がなくても改ざんされていないことはわかる。

この元のデータのハッシュを組み込んで新しい情報のハッシュを作っていくという構造が、ハッシュのチェーンになっているところからブロックチェーンと呼ばれている。

例えば所有権が次々変わっていくような情報が、途中改ざんされていないことを担保する仕組みとして利用するような場合に向いている。

一度作成したデータを後から改ざんするのが難しい反面、作成されたデータから悪意あるデータを「正式に」組み込んでしまうことは防ぐことができない。

なので、正式なチェーンと不正なチェーンに分離してしまった場合、この構造だけでは不正を検知できない。

なので、そういうものを検知するためには、結局管理サーバー的なものを用意して、そこで正しい流れはどれなのかを管理することになる。

ブロックチェーンというと、仮想通貨とともに有名になった技術だけど、この説明で雰囲気伝わったかもしれないけれど、金融のための技術ではない。同時に、あらゆる不正からデータを守る仕組みでもない。

考え方はシンプルなんだけど、本当に安心して使えるものを実装しようとしたら、結構面倒くさいのと、わざわざ分散型でデータを持つよりも、サーバー側で集中管理する方が格段にセキュリティレベルがあがるので、IT業界では日常的に使える技術ではない。

そう言えば、エストニアに訪問して電子政府の説明を聞いたことがある。
国家の情報は全て電子化されていて便利という説明だったんだけど、そうであるだけに「もし隣国が軍事侵攻をしてきて全てのデータを破壊したらどうするのか?」と質問をした。

「そういう事態を想定して、電子政府のデータは、世界中のサーバーに分散配置している。もし国が全て焼き払われても、この国に誰が住んでいて、どういう生活があったのかという国家の記録は消し去ることはできないようになっている。」

電子政府の仕組みの一部に、ブロックチェーンが使われているが、なんで必要なのか。なぜエストニアが必要としたのか。肌感覚でわかった気がした。

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