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最高に美味しい焼き芋に出会ってしまった。朝早起きして車に乗り込み向かうは野菜直売所。初めて行くところだ。近所だが滅多に向かわない方面にそれはある。車を走らせて10分くらいで着いた。しかしお店の外見を見た時に少したじろいでしまい、一度目は入ること無くスルー。至って普通の野菜直売所だが、その古さが初めて来た私にはハードルが高い。行こうかどうしようか悩み、先にあったコンビニでUターンをしてとりあえずもう一度向かう。私の前にちょうど他のお客さんの車が入っていくのが見え、勝機!と思い駐車場に入り車を停めた。前のお客さんが車から降りたのを確認してから、私も降りる。恐る恐る店先に近付いてみると、新鮮そうな野菜がたくさん並んでいた。一見古いが中は整理整頓されていて、野菜の箱が規則正しく並んでいる。これがとても好印象で感じていたハードルは無くなった。何を買おうかと思いながら値段をよく見ると結構安い。スーパーに並ぶ野菜より安く、そして新鮮だったら買わない手はない。さすが直売所と思いながら店内を巡る。店主のおじさんが先に入ったお客さんと話をしていて、みかんが美味しいと勧めていた。おじさんはそのみかんを袋詰してる最中のようだ。もうそんな季節かと思いながら横を通り過ぎようとしたら、おじさんはおもむろに持っていたみかんをふたつに割りふたりのお客さんに渡していた。気前がいいお店だなぁと感心していたら私にも差し出してくれた。「お姉ちゃんにはこの小さいのいっこあげるね」と言いながら渡してくれた。お姉ちゃんと呼ばれたことに違和感があったが、おじさんからしたら若い女などみんなお姉ちゃんなんだろう。このご時世に素手で渡すのはチャレンジャーだなと思いながらも、みかんなら皮を剥くのでいいかと食べたらたしかに美味しかった。甘さ控えめだがとても瑞々しかった。冬にこたつで食べるみかんはここで買おうと思った。フルーツがどれも新鮮そうで、中でもりんごに目が止まった。りんごジュースで美味しいと思っていたトキがあったので手に取った。それとにんじんとしいたけを持ち会計に向かう。ちょうど私の前のお客さんが焼き芋を買っていた。つられて私も買った。焼き芋は当たり外れがあるから敬遠していたが、ここは当たりのような気がした。早速焼き芋を割ってみるとキラキラ光輝く黄色が現れた。ひとくち食べてみる。優勝だった。今日もなにもない一日だった。

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