05/17

白いTシャツを漂白しよう、と思った。長年誰かのファンをやっていると、次第に溜まってくるのがグッズのTシャツ。これが見事に収納を圧迫している。どこかのタイミングで捨てなきゃと思ってはいるのだが、すべてのものに思い入れがあり実行に移すことが難しい。先日、部屋の掃除をしているときに捨てる服の選別をしていたら、首周りが黄ばんでいる白Tシャツがいくつか見つかった。ちゃんと洗濯してから畳んで収納しておいたのに何故と思ったが、洗濯で落としきれなかった透明な皮脂汚れが、しばらくすると酸化して黄色く現れてくるのだそう。私の洗濯の雑さも理由のひとつだろうなと思いつつも、こればかりは不可抗力であったと少しほっとした。普通のお店で買ったものはしばらく着てない証拠だと真っ先に捨てたが、グッズとして買ったものは捨てたくない気持ちが強く、今後どうにかしようと取っておいた。とはいえこのまま着ることはできないから、漂白しようと思い立ったのである。去年の夏によく着ていたので汚れが強めの数枚と、その予備軍や今着ているものもついでに綺麗にしようと選ばれた10枚のTシャツ。流石に多いから捨てなよ、と思うだろう。ロッキン、やついフェス、音楽ライブ、企画展、お笑いライブ、友人がデザインしたものなど、思い出しかないTシャツたちだ。今のところ捨てる予定はない。予め酸素系の漂白剤を用意しておいた。汚れの強いところに漂白剤を直接かけ、洗剤を入れたお湯に浸す。30分放置したあと、いつも通り洗濯機に入れ洗濯した。終了を知らせる軽快な電子音が聞こえたので、ベランダに運びハンガーにかけて干す。首周りを確認すると、めちゃめちゃ綺麗な白になっていた。これは大勝利と鼻歌を交えながら干し終わり、あまりの嬉しさに綺麗に並んでいる白Tシャツたちの写真を撮った。これからは、しばらく着ないタイミングの前には必ず漂白をしようと心に決めた。目立った汚れがないものに漂白剤を使用する分には、洗剤と合わせて入れるだけでいいらしい。まだ現れていない汚れをここで殲滅するのである。できればグッズは大切にしたい。部屋着になったとしても、白いまま着ていきたい。私の部屋が汚い理由が垣間見えてしまったところだが、大切なものは大切なんだもん、しょうがないじゃん、と開き直りのフェーズに突入している。目標のていねいな暮らしへの道はとても険しい。今日もなにもない一日だった。

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