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【英文記事に挑戦 No.801】どえらい10セント硬貨

【この記事の内容は】

TOEIC専門塾「英語屋」講師が書いています 
・英文記事やウェブページから「TOEIC的」でありながら「大人が興味を持つようなネタ」を探してご紹介。
・読解問題もご用意していますので、ぜひ挑戦してみてください。
・一番最後には、簡単な和訳と解説も。

【Pre-Reading】

1つの単語が全く異なる意味になる、というのは英語学習にはつきものの「あるある」ですが、皆さんは mint (ミント、はっか)の別の意味をご存知でしょうか?

TOEICにはほとんど登場しませんが、英検や時事英語にはおなじみです。

mint には「造幣局」「(貨幣を)鋳造する」「新語を作る」「真新しい」といった意味があるんです。語源は、money と同じ。確かに、m / n は同じですね!(ま、そんなの他にもいっぱいありますけど・・)

ちなみに、桜の名所でもある「大阪造幣局」を英語にすると、Osaka Mint Bureau(bureau は「局」)。

今日ご紹介する記事は、10セント硬貨に mint mark(造幣局名の頭文字)が付いていなかったために どえらいことになった!という内容です。どんなことになったのか読んでみましょう。

【問題に挑戦】

Q: この硬貨を競り落としたのは誰?

(A) オハイオ州のコレクター
(B) GreatCollectionsの得意客
(C) the Professional Coin Grading Service
(D) Ian Russel氏

↓ 記事はこちら

記事を読んで、問題を解いてから次に進みましょう。

【Side stories】

ものの価値というのは、本当に不思議。素人目には何の変哲もない10セント(=15円)が、見る人が見て値付けをしたら、なんと7700万円・・。

大阪の通天閣のそばの露店で「50円玉」が「50円」で売られてたと聞いて「なんやそれ!」と笑ったものですが、案外、本当はスゴイ価値の「50円玉」が値引きされて「50円」だったのかも・・なんて考えてしまった今日の記事。

そして、猫の茶碗という落語も思い出しました。こちらは英語の字幕付きなので、よかったら、ぜひ。

【正解&解説】

Q: この硬貨を競り落としたのは誰?
 (B) GreatCollectionsの得意客

A rare U.S. dime missing its mint mark
 造幣局名の頭文字がついていない珍しい米国の10セント硬貨

was auctioned for $506,250,
 $506,250(約7,700万円)で競り落とされた、

nearly 30 times the amount it sold for 46 years earlier.
 それはおよそ30倍の価格だ、46年前の売却時の。

GreatCollections, which handled the auction of the "1975 No S Proof Dime,"
 GreatCollections(という競売業者)がこの「1975年 S認証マークのない10セント硬貨」のオークションを取り扱ったのだが、

said the coin was purchased by an Ohio collector and his mother
 彼らによると、この硬貨は、オハイオ州の収集家とその母親によって購入された

for $18,200 in 1978, and
 1978年に$18,200(270万円)で(購入された)、そして、

it remained with the family for nearly 50 years.
 その家族が所有したままだったおよそ50年間。

The collector's family decided to have the dime auctioned,
 その収集家の家族はこの10セント硬貨を競売にかけると決めた、

and it was given a Proof-67 grade
 そして、この硬貨はProof-67等級の鑑定を受けた、

by the Professional Coin Grading Service
 PCGS(コイン鑑定機関)によって

before fetching a sum of $506,250.
 $506,250(約7,700万円)を獲得する前に。

👆ここまででわかるのは、(A) オハイオ州のコレクター は1978年にこのコインを買った人で、その家族が今回のオークションに出した(つまり売り主)のようです。買い手ではなさそうなので、続きを読みましょう。

The dime is notable for its missing "S" mint mark,
 この10セント硬貨は造幣局名の頭文字「S」が欠落しているので有名だ

which would signify it was minted in San Francisco.
 その「S」マークは、サンフランシスコで鋳造されたことを表している。

It is only one of two examples known to still exist.
 この硬貨は、現存するとわかっている同様の2枚の硬貨のうちの1枚である。

👆なるほど、そういうわけで超レアなんですね。造幣局の製造ミスがこんな結果になったとは。

「(略)After spirited bidding, it was ultimately won
 猛烈な入札の後、最終的に勝ち取ったのは、

by a long-time client of ours who appreciates rarities
 私どもの長年のお客様で、レアものの価値を高く評価する方です、

that infrequently appear on the market.
 市場にめったに登場しない(レアものの)。

His goal is for his family to own it for the next 46 years,
 その顧客の狙いは、彼の家族がこの硬貨をこれから46年間所有し続けることだ、

similar to the seller's family who consigned it to GreatCollections," Russell said.
 GreatCollections(という競売業者)に(この硬貨を)委託された売り主の家族と同様に」とRussellさんは述べた。

👆「私どもの長年のお客様」の「私ども」がGreatCollectionsであるかどうか、ちょっとわかりにくいですが、Russellさんについて書いてある部分を読めば、明確になりますよ。

(略)GreatCollections President Ian Russell said in a news release. 
 GreatCollectionsの社長であるIan Russell氏は、記者発表の中で述べた。

👆というわけで、正解は (B) GreatCollectionsの得意客

GreatCollections自体も、相当の手数料をゲットしたんだろうなあ!


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