小学生が「英検3級の面接試験」で失敗しない為に、知っておきたい二次試験の特徴と練習のステップ
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私はこれまで「えいごの実」という個人の英語教室を10年間続けて参りました。
「えいごの実」では、幅広い年齢・職業の方々と共に「英語」に関わるさまざまなゴールに挑戦してきました。
詳しくは、自己紹介noteをご覧ください。
過去の記事で小学生児童と英検3級にチャレンジする際に大きな挑戦となる「ライティング」について、2回の記事にわけて私の教室での取り組みを紹介させていただきましたが、今回はもう一つの壁となる「面接試験」についてです。
英検3級の「面接試験」と「英会話」の違い
私の教室では、幼児期から英会話に慣れ親しんだ児童に、実力確認の一環で英検を受けることをおすすめしています。
同じようなお考えのご家庭もあるかもしれませんが、注意しておかなければならないのは「英会話」と英検における「面接試験」の違いです。
英会話レッスンでは、学習者がリラックスし、自分のペースで会話を楽しむことが重視される一方で、英検の面接は制限された時間内で、決まったフォーマットに従って評価が行われます。
この違いは、特に小学生児童たちにとって大きなプレッシャーになります。
試験という形式では、正確な発音や文法、適切な応答のタイミング、そして質問に対する論理的な答え方がすべて評価の対象となります。
英会話の場面では、多少の間違いや言葉の詰まりも会話の流れの一部として扱われますが、英検の面接では、そのような余裕がなく、限られた時間の中で確実にポイントを押さえた回答が求められるのです。
特に、自由に意見を述べるというよりも、特定の質問に対して的確に答え、理由や例を明確に説明する能力が重視される点は、英会話教室の通常のレッスンとは大きく異なります。
児童たちが普段のレッスンで培った英会話のスキルを、この「試験」という形式に適応させるためには、試験特有のスキルを指導する必要があると考えています。
小学生児童と二次試験(面接)に挑むまでのステップ
英検3級に合格するためには、二つの試験を受ける必要があります。
まず最初に「一次試験」として、筆記試験とリスニング試験を受け、その後に「二次試験」として面接試験を受けます。両方の試験に合格することで、英検3級の資格が取得できます。
私の教室では、児童たちが一次試験の対策に慣れてきた段階で、少しずつ二次試験の面接準備も取り入れるようにしています。
具体的には、レッスンの最後の5〜10分を使って、二次試験の面接形式や流れを紹介しています。
これにより、児童たちが一次試験だけでなく、その後に控えている二次試験の重要性も早めに理解できるようにすることを目的としています。
一次試験を受ける前に、全体の流れや試験の最終目標を明確に理解することで、児童たちは安心して学習に取り組むことができ、試験全体に対して自信を持って臨むことができます。
二次試験の存在を早めに伝えることで、試験後の次のステップにもしっかりと備え、長期的な学習目標に向かって確実に進むことができるのです。
一般的に、一次試験の結果は、試験後約2週間でインターネット上の「英ナビ」で確認できます。さらに、約3週間後には郵送で結果が届きます。
二次試験(面接)は、一次試験の合否が発表されてから約1ヶ月後に行われるため、その間に少しずつ面接の準備を進めることが重要です。
ただし、二次試験までの準備期間は約1ヶ月と比較的短いため、面接練習を早めに始めることが望ましいです。
とはいえ、私の教室では、お子さまが一次試験の結果を知るまでは、面接対策を急がない方針をとっています。
これは、まず一次試験の結果をしっかり受け止めてから、焦らず次のステップに進めるよう配慮しているためです。
小学生の児童たちにとって、一次試験の結果を知ることは非常に大きな精神的負担となります。
特に、合否がはっきりするまでの期間は、不安やプレッシャーを感じやすく、その影響で集中力を欠くことも少なくありません。
そのため、私の教室では、児童たちが結果を受け止め、心の準備を十分に整える時間を確保しています。
その為、限られた期間で効率的に面接対策を行うことが非常に重要になってきます。
私の教室では、子どもたちがリラックスしながらも効果的に面接の準備ができるよう、適切で効果的な過去問題を、面接対策にすぐに活用しています。
面接準備の期間は、最長で1ヶ月、短い場合は2週間で行います。レッスン回数は多くて6回、少ない場合は3回のレッスンで面接に備える準備を整えています。
私の教室で普段から英会話をしていても、面接試験が必ずしも得意になるわけではありません。
自然なイントネーションでスムーズに話すのは、思った以上に難しいことがあります。質問に対して、うまく答えられないことも少なくありません。
これは、日常会話でも同じです。
たとえ好きな話題であっても、初めて会う人と話すときには緊張してしまうことがよくあります。特に、面接の先生のような初対面の大人に対しては、子どもだけでなく大人でも抵抗を感じることがあるのではないでしょうか。
英検の面接試験では、小学生児童が事前にどのような問題が出るのか、どう答えるべきかを理解しておくことがとても大切です。
面接の流れをあらかじめ知っておくことで、小学生児童たちは自信を持って試験に臨めるようになり、不安も軽減されます。
例えば、リーディングでは正しい発音とリズムが必要ですし、質問への答え方も短く簡潔にすることが、小学生児童にとって重要なポイントです。
また、英検の面接で出される質問は、小学生児童が普段の英会話で使う内容に似ている部分もありますが、より試験的な構造が加わっています。
例えば、短い文章を読んだ後に、それに関連する質問に答えたり、指定された場面について小学生児童が意見を述べたりします。これらの形式に慣れておくことが、スムーズな受験につながります。
英検の面接試験は、たった5分間で合否が決まります。
小学生児童たちにとっては短い時間の中で自信を持って話すことが大切です。楽しく面接を受けられるように、しっかりと練習を重ねていきましょう。
小学生児童と英検3級二次試験にチャレンジする時に知っておきたい3つのポイント
それでは、英検3級の二次試験で知っておくべき重要な点を3つご紹介します。
①一般受験/S-CBT受験の違い
英検には「一般試験」と「S-CBT試験」という2つの受験方法があります。
一般試験では、紙の試験用紙を使って筆記試験やリスニング試験を受け、二次試験では対面での面接が行われます。この形式では、試験官と直接会話をしながら面接を進めます。
一方、S-CBT試験はコンピューターを使って行う試験です。筆記試験やリスニング、面接もコンピューター上で行い、音声を録音して提出します。この形式では、対面での面接がなく、コンピューターで画面の指示に従って答える形になります。
どちらの形式でも、出題内容や評価の基準は同じです。小学生児童にはどちらの形式でもしっかりと準備をして、自信を持って試験に臨むことが大切です。
②出題内容
二次試験は、試験時間が約5〜7分程度で行われます。英検3級の二次試験では、小学生児童がカードを使った会話形式の質問に答えます。このカードには短い文章とイラストが描かれています。
1. 文章の音読
カードに書かれている短い文章を小学生児童が声に出して読みます。ここでは、発音やイントネーションが評価のポイントとなります。
2. イラストに関する質問
カードに描かれているイラストについて、面接委員から2〜3の質問がされます。例えば、「この男の子は何をしていますか?」や「何人の人がいますか?」など、イラストに関連する簡単な質問に答える力が求められます。
3. 自分に関する質問
最後に、面接委員が小学生児童に対して個人的な質問をします。例えば、「スポーツは好きですか?」や「週末に普段何をしていますか?」といった質問に答えてもらいます。これは、お子さまが自分の経験や意見を英語で表現できるかを確認するためです。
③ 評価のポイント
英検3級の二次面接では、面接の先生とのやり取りを通して、お子さまの英語を話す力が評価されます。次の4つのポイントがチェックされます。
1. 発音
小学生児童が英単語を正しく発音し、自然なイントネーションで話せてるかが評価されます。
2. 文法
文法的な大きなミスがなく、正しい文の形を使って話せているかが重要なポイン トです。
3. 語彙
質問に対して適切な単語を使って答えられているかが評価されます。難しい単語を使う必要はありませんが、正確に伝えることが求められます。
4. コミュニケーション能力
小学生児童が質問にきちんと答えられるか、面接委員との会話がスムーズに進ん でいるかも評価されるポイントです。
5.アティチュード(Attitude)
「アティチュード」とは、お子さまの態度ややる気のことを指します。面接の中で、どれだけ前向きに、積極的に取り組んでいるかを評価します。たとえば、面接の先生にしっかりと目を合わせたり、きちんとした姿勢で話したりすることが大切です。緊張していても、笑顔や元気な声で答えようとする姿勢が良い印象を与えます。
英検3級の二次試験の合格ラインは約60%です。
これは、基本的な英語スキルが身についているかどうかを確認する目安です。お子さまの発音やリスニング、質問に対する理解力、自分の考えを英語で表現できるかが評価されます。
面接の流れは、挨拶から始まり、簡単な質問や文章の読み上げ、最後の挨拶までです。お子さまが緊張しないよう、何度も練習して面接の形式に慣れることが大切です。リラックスして取り組むことで、試験当日も自信を持って挑むことができるようになります。
小学生児童と英検3級二次試験にチャレンジするための2つのステップ
最後に、私の教室でも実施している面接練習を2つのステップに分けてご紹介します。
まず、面接の流れを実際に体験しながら練習します。
挨拶や自己紹介、面接官とのやり取りを繰り返し練習することで、試験の具体的な流れに慣れることができます。
次に、過去問題を使ってよく出る質問に対する答え方を練習します。特に、フルセンテンスで答える練習を重ねることで、自然に答えられるようになります。
ご家庭で一緒に取り組むことで、お子さまが自信を持って試験に臨むことができます。
STEP1. 面接の流れを具体的にイメージするための練習。
児童たちが英検3級の面接でどのように進行するかを理解し、安心して試験に臨めるようにするための練習です。挨拶から質問の受け答え、カードを使った読解まで、面接で実際に行われるやり取りを一つずつ体験しながら練習します。こうすることで、面接の流れに慣れ、本番でも落ち着いて対応できるようになります。
STEP2. 面接の先生との質問と答え方の練習。
この練習では、過去の問題を使って、児童たちが英検3級の面接でよく出される質問に慣れることを目指します。質問は、パッセージに関する理由を答えたり、イラストを見て答えたりするなど、いろいろな形式があります。過去の問題を使いながらフルセンテンスで答える練習を繰り返すことで、より自然に受け答えができるようになります。
短期間で面接試験の準備を効率よく行うために、私の教室でも実践している方法です。
児童たちとともに練習を行い、その都度改善を重ねることで、より効率的に学べる対策方法を作り上げてきました。
これから2回に分けて、小学生児童が面接の流れを具体的にイメージできるように、面接の練習の進め方や面接の先生とのやり取りを詳しくご紹介しますので、よろしくお願いします。