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GIGAスクール構想に向けた各自治台の実践例

GIGAスクール構想による児童生徒1人1台のPC配付が進められています。

新学習指導要領で求められている主体的・対話的で深い学びについて、ICTを活用してどのように実現し、そのための準備や研修のあり方について、いくつかの自治体の取り組みを紹介します。

【渋谷区モデル】
 東京渋谷区は、平成29年9月から1人1台タブレットを児童生徒に渡して学習活動を展開する「渋谷区モデル」を実施しています。

今年の9月には、より質の高い学習環境を提供することを狙い、それまでのLTE回線に加えて、Wi―Fi環境を整備しました。

各教室にアクセスポイントを2カ所設置し通信環境を向上させ、校務支援システムの利便性も高め、教職員の働き方改革にも取り組む考えです。

具体的には、

 (1) 学習環境の整備(遠隔授業等も含め)
 (2) セキュリティと将来性を踏まえた安定的な運用
 (3) 教職員が本来業務に専念できる環境の提供

といった視点から見直しを進めました。

セキュリティに関しては、教職員のPCは顔認証とID、パスワードでログインするため、PCを紛失したとしても情報漏えいすることはありません。

また、データは自動的に暗号化されるため、児童生徒用の資料等に関しては生徒名や学籍番号といったラベルを外して配布します。教職員用の資料を間違って配ったとしても、児童生徒が見ることはできない仕組みです。

ネットワークは個人情報系、教職員の人事、学習系に分離されており、児童生徒は学習系にしかアクセスできないように設定しています。

さらに、これまでの取り組みの中で現場から上がった声の一つが「校務支援システムの機能をもっと使いやすく」というものです。

児童生徒の成績など個人情報に関するものはセキュリティが堅牢なため、ログインまでにどうしても時間が掛かっていました。

新しいモデルでは、アプリケーションで入力すれば個人情報系が同期する仕組みで、出欠管理や保健室の利用状況なども連動します。

さらに、今後は学校と保護者をつなぐ連絡ツールも整備する予定です。

保護者がスマホなどで欠席の入力をすればデジタル出席簿に欠席と理由が反映され、個人情報系とも同期するアプリを実装させる計画です。学級通信などを配信できるようにも進めていきたいそうです。

使用ツールとしては、Microsoft Teamsを全校で利用できるようにアカウントを取得しました。

新型コロナウイルス感染予防のための休校期間中も、Teamsを使って各学校で家庭学習を進めていたそうです。

朝の会やホームルーム、質問タイムをTeamsでつないで実施していました。子どもたちは自宅で時間割に合わせてタブレットからログインし、教員も自宅からログインしてデジタル教科書を共有しながら授業した例もあったというそうです。

また、分散登校の時期には、自宅待機のグループはTeamsにログインし、教室での授業をリアルタイムで受ける学習形式も試行していました。

今後は、外部とつないだ遠隔交流授業なども計画されているほか、不登校の児童生徒支援も検討しています。

今後、児童生徒が新型コロナに感染することもあり得るため、2週間隔離となった場合の学習の保障として、Teamsで授業に参加したり、授業の動画を後から見たりするといった使い方も考えているそうです。

これらの取り組みは他の自治体にとっても参考になりそうです。

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