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勉強時間が約4割減の衝撃【貧困家庭の学力差拡大】

今年、厚生労働省が公表した「2019年 国民生活基礎調査」によると、子どもの貧困率(17 歳以下)は13.5%でした。

日本の場合は、家や食べ物がないという貧困ではなく、世帯の可処分所得が全体の中央値の半分に満たず、国の生活水準と比較して困窮している状態の相対的貧困を指します。

15年の調査が13.9%だったから0.4 ポイント改善はしているものの、いまだに約7人に1人の子どもが貧困状態にあります。

学校の1クラスが35人だとすると、クラスに5人はいる計算です。

こうした格差が、新型コロナウイルスの感染拡大によって深刻化しています。

小学生から高校生の子どもがいる2000世帯に対して行ったインターネット調査によれば、貧困世帯は新型コロナによって

所得の低下と、

休校による教育機会の縮小

というダブルパンチに直面していることがわかりました。

特に新型コロナの感染拡大による休校期間中の「家庭における子どもの勉強時間」の変化が大きかったのです。

具体的には1週間当たりの子どもの総勉強時間が全体的に約38.5%減っていることがわかりました。

成績のいい子どもほど勉強時間が長い一方、成績の低い子どもの勉強時間の低下幅が大きく約20時間も減っています。

低所得世帯また1人親世帯の子どもの学力は低い傾向にありましたが、その格差拡大に拍車がかかっていると考えられるのです。

勉強時間に影響を与える要因として、まず自学自習ができる子とそうでない子の差がありますが、『家庭で勉強を見てあげられているかどうか』が大きく、勉強を見てあげられる家庭の両親は、学歴が高いケースが多いとわかりました。

休校中は、学校から宿題としてたくさんのプリントを渡されて、わからなくても教えてくれる人がいない状況にありました。

一般的には、学校のオンライン学習の有無で差が出たといわれていますが、オンライン学習よりも、子どもの勉強を見ることのできた家と、そうでない家とで差がついた可能性があります。

相対的貧困率は完全されるのでしょうか?

日本では、児童手当や医療費など、義務教育の中学生でいろいろな支援が終わってしまう現状があります。

支援を受けて高校に行けるか、また大学に行けるかどうかで生涯賃金が大きく変わります。

少子化で高齢者を支える子どもが減る中、一人ひとりが貧困の子どもを放置することがいずれ社会保障制度を崩壊させることにつながるでしょう。

一人ひとりのこどもに質の高い教育を提供できるかどうかにかかっています。

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